明日を描こう (ページ18)

今日:11 hit、昨日:3 hit、合計:27,775 hit

＊ページ18

しかし、和は誕生日の日にたくさん食べられていたのが嘘のように、副作用で食べられなくなっていった。

智『和…。食べたいものない？和の大好きなゼリーもあるよ？』

和『んぅ‥んーん』

智『ほら、ジュースもあるよ。飲まない？』

和『の‥まな‥‥ぃ』

和は吐き気の耐えながら、力なく頭を横に振る。

智『そっかぁ…。無理しなくていいよ。吐き気止めだけ入れようね。』

智はあきらめて点滴の側管から吐き気どめを入れ、優しく背中をさすることしかできなかった。

翔『やっぱだめ？』

智『うん‥。ほんとに何もいらないみたい。どうしようか‥。点滴で補ってもいいけど、胃や腸には異常がないわけだし、機能させないのもリスクだよ。』

翔『じゃあやっぱり経管栄養にする？抗がん剤使ってる間だけさ。成長する時期なのに栄養取らないと。』

智『そうだね。胃までにしようか。何か無理やりたべるよりは、和にとって楽かもしれないし。』

和があまりにも栄養を取れないため、智と翔は鼻から胃までチューブを入れ、直接栄養を流し込む経管栄養に頼ることにした。

智『じゃあ明日入れよう。雅紀と潤にも伝えてなるべく補助してもらえるようにしよう。』

翔『うんうん。そうだね。和もそっちの方が不安じゃないよきっと。』

こうして和の新たな治療方針が決まると、智と入れ違いに翔は和の病室へと向かっていった。