もうちょい忍べ ページ9
「着きました。」
『...わぁ。』
目の前にある建物を遠い目をしながら見る。
忍びの学び舎なのに本当に堂々としているなとしみじみ思った。
兵の向こうからは子供の遊ぶ楽しそうな声が聞こえてくる。
今からそれをぶち壊しに行くと思うと罪悪感で死にそうになった。
うわぁ、ここから動きたくねぇ。
まじでやだなぁ。
このまま家に帰りてぇ。
うわぁ。
そんな思いも届かず食満先輩が扉を叩く。
「小松田さん!!ただいま帰りました!!」
「は〜い、ちょっと待ってね〜。」
聞き覚えしかない声が聞こえて死んだ目をする。
しばらくすると小さい方の扉が音を立てて開かれた。
「みんなお帰りなッ、!?えっあっ...てっ天女...様?」
笑顔で出迎えたかと思ったら私を目にした瞬間、すごい怯えだした。
やっば、夢小説のおきまり展開じゃん。泣きそう。
「あっえっ、と...入門表に...サインを、お願いします...」
後半につれて小さくなっていく声を聞いて本当に申し訳なくなる。
すごいよ、ちゃんと怖い嫌いな存在に入門表差し出してんだから。
なるべく怖がらせないよう猫背で受け取り笑顔でお礼を言う。
そして名前を書く欄に適当に梅と書いておく。
えぇ、入門理由は...帰るため?
まぁ、適当に書いて小松田さんに渡す。
「それでは、学園長の元に案内します。」
『お願いします。』
うーん、学園長先生か...ヘムヘムに会えるかな。
ヘムヘムのこと私、前まで犬と猫のハーフだと思ってたんだよね。
本当は忍犬だったけど。
あっ、あの鐘ヘムヘムが鳴らしてるやつじゃん。
なんか川越の時の鐘みたいだなー。やっぱ実物はすごいな。
「ねぇ、あれ天女じゃない?」
「本当だ...どうしてまた。」
「今までより身長高いね。」
「きっと先生達が天に還してくれるよ。」
「先輩達はまだ大丈夫みたいだね。」
「でも油断はできないよ。」
「とにかく...」
「「早く還れば良いのに。」」
んんッ、これは結構しんでぃぞ??
(豆腐メンタル)
30人がお気に入り
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
如月(プロフ) - めっちゃ好きです!更新頑張って下さい! (2022年9月18日 11時) (レス) @page18 id: 4efb850e8a (このIDを非表示/違反報告)
小桜(プロフ) - 14話の左近のところ、名字は「川西」だと思いますよ〜! (2022年4月26日 6時) (レス) @page14 id: 8b4a915ba2 (このIDを非表示/違反報告)
白鳥リリイ(プロフ) - オリフラ立ってますよ〜! (2022年4月13日 18時) (レス) id: a118a021f7 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:わらび餅 | 作成日時:2022年3月22日 2時