隠れ美人、ヒロインになる。【沖田総悟】

98.素 ページ48

Aside



凛々花「話したいことっていうよりは聞きたいことなんだけど…コノミさんは沖田くんの前で“素”でいられる？」



A「いられる、かなぁ、あんまり見せたくない一面とかもあるけどね。」



凛々花「怖くないの？」



A「自分が隠してたことを話したときは怖かったよ。まず打ち明けるまでに時間がかかったしね。でも、隠したままでいるほうがもっと嫌だった。」




凛々花「そっか、」




A「全員に見せられるかって言われたらそうはいかないけど..凛々花ちゃんは素を見せることが怖いの？」




凛々花「私は好きな人にすら、本当の自分を見せられないよ..」



いつものアイドルみたいな笑顔とは違い、苦笑している凛々花ちゃん。




凛々花「小さい頃からみんなのアイドルみたいなレッテル貼られて、いつの間にかその理想通りでいなきゃって思うようになって..自分の好きなことを押し殺してた。そうしたら本当の私をどんどん見せられなくなっていって..」
　


体育祭のときに感じた違和感はこれだったんだ。
　


境遇は違うけど凛々花ちゃんの気持ちにはとても共感できた。私は彼女の力になってあげたい..けど..






A「..つまり、凛々花ちゃんは沖田くんに素の自分を見てもらいたいってこと？」




凛々花「なんで沖田くん？」



A「え？沖田くんのことが、その、す、好きなんじゃないの？」








凛々花「え？」


A「え？」

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