勇者(に憧れる子)になった女の子 (ページ6)

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1話-4 ページ6

勇者アルマースが次に目覚めたのは、

とある施設の中だった。

ここは魔界ココロ銀行。

学園の生屠たちが普段利用するこの銀行は、

金品財宝はもちろん、自分の本心や秘密なども

預けておくことができる施設である

悪魔にとって本心を悟られるということは

手足を縛られるも同じこと……。

ゆえに悪魔は皆、ココロの一部を

貸し金庫に預け、思う存分悪行を楽しむのだ

しかしやはり、預けたココロの多さでは、

魔王の息子、マオにかなう者はいない

ココロの大部分を銀行に預ける彼は、

魔界一の優等生として

今日も悪行三昧の日々を送っている

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僕は目覚め、じいやさんの話を聞いていた

『はぁ…君は魔王の息子さんだったんだね。』

『そっ、それで…その悪行三昧の息子さんが僕に一体なんの御用で…？』

「いいか、聞いて驚け。我はゆえあって魔王を倒さねばならぬ。そのためには勇者のチカラが必要なのだ」

『ゆ、勇者のチカラ？……あれっ、でも魔王って、君のお父さんじゃ…？』

「そうだ」

『そ、そうだって、そんなあっさりと…』

何を考えてるか分からないけど、

直ぐに僕を殺すつもりじゃないみたいだ

とりあえず、良かったぁ〜！

この少年が魔王の息子なら、魔王の弱点とか知ってるだろうし、倒してくれるなら好都合だ。

もしかして、チャンス到来？

よし、ここは姫様のためにも、勇気を振り絞って火中に飛び込むしか！

ってか本来ならば彼ならば本願なのに、いまはアルマースだからな;

『っあの〜、勇者になりたいってことなら、僕が家庭教師とかなってあげても…』

「その必要は無い」

『…へ？なんで？』

「もう勇者になった」

『ゑ、ウソぉ』

「我の称号をよぉくみるがいい！」

んぇ？え？

『ほんとだ！勇者になってる！なんで、どうやって？』

「手っ取り早く勇者になるために、お前の勇者の称号を勝手に奪い取って、我のココロに取り込んでやったのだ」

「このような恥辱の称号、すぐにも外したいが、親父を倒すことが最優先。やむをえぬ処置だ」

『ちょちょちょ、ちょっと待ってよ！人に断りもせず勝手にとるなんて、酷いじゃないか！』

「ひとつ！悪魔は好奇心を満たすため邪心をもって行動すること！」

『へっ…？』

「我が考察した、悪魔の誓だ」

いつの間に作ったのかねマオ様やぁ〜！？

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次！