勇者(に憧れる子)になった女の子 (ページ25)

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2話-12 ページ25

家庭科調理室

ここは、生屠に過酷な修行を積ませることで

強いココロを育み、最強の料理を調理する

一人前の料理人へと育成する場所である

伝説よ料理人ともなれば、熱湯や油の風呂に入り、

包丁の刃の上で眠ることで、食材のココロを

理解するという

壮絶な修行は、その伝説の料理人1人である

家諦科凶師の手によって実施される

『絶食一月連続料理』『凶暴食材同居生活』など

漏れ伝わる修行よ内容は凄まじく、5年のうちに

ほぼ全ての修行性が脱走を試みる

だが外界とは完全に隔離されており、

脱走することは絶対不可能

生きて帰りたければ、修行を終えて、

料理人となる他に外に出る術は無いのだ…
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「お待たせいたしました、坊っちゃま。何とか家諦科調理室を見つけ出しました」

「どうした、時間がかかったな？じいの仕事とは思えぬ手際の悪さだ」

「…申し訳ございません。徹底した秘密主義に、いささか手間取りまして」

「これ程までに、じいの目をかいくぐるとはたかが家諦科凶師とあなどれませぬぞ」

「ほう。じいを手こずらせるとは、なかなかのものだな」

「でも、これでようやく謎の家諦科調理室の全貌が明らかになるわけか」

「思いがけず、全ての授業を制覇できることになりそうだ。普段の行いがいいおかげだね」

『…全部じいやさんのお手柄ですけどね;』

「ほっほっほ。全ては坊っちゃまのためでございます」

『でも、マオ様も手際が悪いなんて言わずに、ちゃんとお礼を言えばいいのに』

「バカなっ！礼を言う悪魔など、悪魔の風上にもおけぬ！悪魔とは、ただ奪うのみ！」

『ひっ！？』

「真の悪魔は悪逆非道であらねばならぬ！そして強く、強く。強く！血染めの道こそ魔王道ではないか！」

『ご、ごめんなさい…』

すごい剣幕で言われたためか、怯んでしまう

「おや、失礼…オホン。お礼などというものは品行方正な不良の行為。優等生のすることではありません」

「坊っちゃまには、早く立派な魔界一の悪魔になっていただきたい。じいはそれを願っているのです」

『ね、願いの内容はともあれ、じいやさんって、本当にマオ様のことを大切になさってるんですね…』

「そのための執事だ。なぁ、じいよ。これからも役に立ってもらうぞ？」

「はい、もちろんですとも。何なりとお申し付けくださいませ、坊っちゃま」
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