2話-8 ページ21
「坊っちゃま。お待ちしておりました。こんなこともあろうかと、既に旧校舎へと時空を繋げてございます」
『はや！？いつ聞いてたんですか…？』
「ほっほっほ。坊っちゃま、旧校舎は大変危険との噂。ドラゴンの巣に、直通させておきました」
ええ…旧校舎って危険なのね。
てかドラゴンの巣に直通って、入った途端気づかれてお亡くなりってことも有り得るんじゃ…
「うむ。さすが、じいだ。いつもながら不自然なほど手際がいいな。ゆくぞ、ニセ勇者」
やっぱり、伝えた方がいいかも！
『ち、ちょっと待ってよ！いきなりそんな危険なところ、大丈夫なの？ゲームなら地道にレベルを上げて…』
「バカモノ。我が悪魔辞典に地道などと言う文字はない」
「今すぐにでも我はドラゴンの卵の目玉焼きを喰らって、ココロを開かねばならんのだ。ちまちまレベル上げなんぞしていられるか！」
うーん、そもそも目玉焼きを食べて心を開くってのがとてつもなく信用ならないんだけど？
でも、ココロの中に入れるくらいなんだから悪魔だったら有り得るかも
もしそうだったら脅しで使われそうだなー
「待ちな、マオ」
「…なんだ、またお前か、ベリル」
「やっぱり行くんだね。禁断の地、旧校舎に。アンタら優等生だけじゃ、ｸﾋにに行くようなもんだよ？」
「フン、そんな言葉で臆病風に吹かれる我なら、最初からココロを開こうなどという無謀なことはしない」
「そこまで覚悟を決めてのことだ。今回は邪魔立てさせんぞ」
…ココロを開くのはイヤそうなのに、なんでこんなに一生懸命なんだろ？
まさか、僕のためなんてことは万が一にもありえないし…
そんなに勇者の称号が嫌なのか、大大大っ嫌いっていってたもんな…
「アンタの覚悟はわかったよ、マオ。止めはしない。その代わり、アタイたちも同行させてもらう」
「何っ！？何故だ？お前たちには関係の無いことだろう。いつものように授業にでも出ていろ」
狂「残念でした。本日は日曜日ですわよ」
明「ええ。宿題も予習も終わらせてきましたの」
「困りますな、ラズベリル様。坊っちゃまに干渉しないでいただきたい」
「じいやか。勘違いしてもらっちゃ困るよ。何も仲間になろうってわけじゃない」
「アタイはただ、伝説が真実かどうかこの目で確かめたいだけだよ」
「それに、優等生のマオが、ココロを開くなんて大それたことをほんとにやれるのか見てみたいのさ」
───
ごめんきり悪い
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作者名：ユアさんの小説 | 作成日時：2023年11月16日 22時
