2話-5 ページ18
え？返したくないってこと？言ってたことと違うやんけ…本当は、勇者として本当にお父さんを倒したいんかな。
『ど、どういうことなの？僕の称号、返してくれるんじゃあ』
「うるさい！我に聞くな！ニセ勇者の称号なんぞ、本当に要らんぞ！これは本心の本心だ！」
「さぁ、それはどうでしょうね？」
本心さんが微笑む。えっなに？天使？
「むうぅ！納得いかん！開けぬと言うなら力ずくでも…！」
「無理やり開けようとしたところで無駄ですよ。たとえ開いたとしてもロクな事には─」
「問答無用っ！金庫とは開けるものでは無い！破る為にあるものだ！」
すると、
ﾌｧｳﾝﾌｧｳﾝ!!
けたたましくサイレンが鳴り響く
『な、なんだか気まずい雰囲気ですが？やっぱり、何事も無理やりってのは良くないと僕は思います』
「ひとつ、悪魔は、禁じられた行為を積極的に行うべし！」
『また、悪魔の誓？勇者の誓と真逆だね…』
「悪魔が金庫を破って何が悪い。悪いことをするから、我らは悪魔なのだ」
「それに、ここは我のココロだ！好き放題にさせてもらうぞ！」
─戦闘カット─
「オイッ！今のやつらはなんだったんだ？」
「心の自己防衛本能が働いたのです」
「この中には、本当に大切にしているものが保管されている訳ですから、セキュリティには少々こだわっています」
「なっ、勇者の称号が大切なものだと？あんなもの、ガラクタ入れで十分だろう！」
「それは本心であり、僕が判断することです」
ど、どういうことだろう。マオ様自身は本気で勇者の称号なんていらないと思ってるみたいだけど…
本人と本心がそれぞれ別の考えを持ってるってこと？
もしかして悪魔って、かなり複雑なココロを持ってるの？
いや、それともマオが特別複雑なのかな…
「とにかく、ここに入ったものは簡単には取り出せません」
「それは、取り出す方法があるということだな。ゴタクはいいからこの扉を開ける方法をさっさと教えてもらおうか」
「…いいでしょう。扉を開けるには、本心から心を開く必要があります」
ﾋﾟｼｬｧｧｧﾝ…
「こっ、こっ、ココロを開くだと！？そんな…一体どうやって？考えただけでも恐ろしい！」
『…えっ？簡単だと思うけど？』
「な、何を言っとるか貴様ァ！悪魔がココロを開くということは服従すなわち、ｸﾋを意味するのだぞ！？」
えっ…服従、てかｸﾋ…やばいじゃないの…
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作者名：ユアさんの小説 | 作成日時：2023年11月16日 22時
