2話-3 ページ16
『…へ？』
まじかよ進行進んでしもうてるッッ
「たった今、門限くらい破っても、どうってことないと言ってのけたではないか。なかなかの優等生ぶりだぞ」
『そ、そんな…僕が悪魔の優等生？』
『じっ、冗談じゃないよ、称号のせいだよ！』
「まあ、そう謙遜するな。我の子分だ。そのくらいでないと困る」
『僕が悪魔になるはずなんてない！僕は姫様をお守りするために魔王を倒しに来たんだから！』
「なにっ…？」
ぁああ！やっちゃったぁぁ！思わず僕の目的を言っちゃった…殺iされるのかな…
「そんなに姫とやらが大切なのか？」
『え…？』
「お前ごとき、どう足掻いたところで親父に勝てるはずがなかろう」
「まさか、自分の命よりも姫とやらが大切だとでも言うのか？」
『そ、そうだよ。姫様ほど魅力的で素敵なお方はいないからね』
『お美しくて、健気で、凛々しくて困っている民に自ら手を差し伸べるとても優しいお方さ』
『極悪非道な魔王が姫様を攫おうとするのも無理ないぐらい魅力的なんだよ』
僕からしたら君もあるんだけどねぇ〜
「うちの親父がその姫を狙っていると言うのか？」
『う、うん。そういう噂だよ。姫様ご自身がそう仰っているらしいから、間違いないさ』
でも虚偽の可能性も、な〜
『だから、僕は姫様のお役に立つために、魔王を倒しに来たんだ』
『ひとつ！勇者は大切なものを守るため、勇気を持って行動すること！』
「む…？」
『卑劣な悪魔なんかに…魔王なんかに決して姫様なんか渡さない！』
『このアルマース・フォン・アルマディン・アダマント！姫様の為ならｸﾋねる！』
「姫様とやらのためだったら、親父を倒す必要なんかないんだがな。」
『えっ？それはマオ様が倒すから？』
「う、うむ！ま、まぁそういうことだな」
「と、ところで、ひとつ聞かせてもらおう。その姫とやらは、お前が魔界に来ていることを知ってるのか？」
『うぅ…それは…実は、遠くからお見守りしていただけだから、僕のことなんてご存知ないかと…』
「何っ！？お前の存在すらも知らないというのか！？」
『う、うん…』
「むうぅ…ならば、姫を助ければ、なにかメリットがあるのだな？」
「地位、財産、名誉…そして姫が手に入るというわけか？」
『ひ、姫さまを手に！？そそそそんな、とんでもない！僕は、ただただお守りしたいだけだよ！』
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作者名：ユアさんの小説 | 作成日時：2023年11月16日 22時
