2話-2 ページ15
「ここにいたのかい、マオ。勇者を返してもらうよ」
「なっ、べリル！どうしてお前が我のココロの中にいる！？我の了解がなければ入れないはずだぞ！」
「へぇ、簡単に入れたけどね。ま、なんだかんだ言ってもあたいには心を許してるんじゃないのかい？」
「そんなはずがあるか！クソっ、不良のクセに他人のココロに土足で踏み込みやがって…」
狂子「あら、土足じゃありませんことよ？ちゃんと上履きに履き替えてきましたわ」
そういうことじゃないと思うな…
明日禍「私たち、お願いがあって来ましたの。勇者様を返してくださいませんこと？」
「なっなんでお前らまでいるんだ…？我は許可したおぼえなどない！このような事態、計算が合わんぞ！」
「こっちの計算はパーフェクトだよ。勇者を助けりゃ、アタイら不良の株も上がるってもんだからね」
「さぁ！早いとこ、勇者を返してもらおうかい！」
「返すも何も、コイツはもう用済みだ。ニセ勇者の称号さえ返品出来れば、こんな奴に用はない」
「ニセ勇者？苦しい言い訳だね。待ってな勇者！今助けてやるよ！」
『いや、あの、お構いなく…これから、ほんとに称号を返してもらいに行くとこなんで…』
「…可哀想に、脅迫されてるんだね？わかった。何も言わなくていい。黙ってアタイに任せな！」
姉貴じゃん！でもほんとにそうなんだ！
「どうあっても出ていかないつもりか。…ならば、後悔させてやる！」
「お前ら、48の殺i人法の実験台だァァｯ！」
─戦闘カット─
狂「なんて優等生なの！？勇者様を盾にするとは卑怯者ですわ！」
明「勇者様…ごめんあそばせ。救出作戦は失敗に終わりましたわ…」
『いや、だからね？ほんとに勇者の称号を返して貰いに行く途中だから余計なことはしないでくれる？』
あ、言い方キツかったかも…
ﾁﾘﾘﾘﾘ…
「まずい！門限だ！」
「行けませんわ！門限破りは親に喜ばれますわよ！」
「ええ。親の大反対を押し切って自分で決めた門限ですからね」
「それは門限とは言わない気がするぞ」
「ちっ、今日はこの辺で勘弁してやるよ。また命拾いしたね！マオ」
『悪魔のくせに、門限を守るなんて変わってるね…？』
「だから不良なのだ」
『ふーん？門限ぐらい、ちょっと破ったってどうってことも無いのに』
「クックックッ…お前、もうすっかり立派な悪魔脳だな。邪悪学園の風紀委員ぐらいにはなれるぞ」
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作者名：ユアさんの小説 | 作成日時：2023年11月16日 22時
