第2話-1 ページ14
銀行員「魔界ココロ銀行へ、ようこそ！ココロのご本人様でございますね？どうぞご自由にココロにお入りください。」
『えええ！？悪魔ってココロの中に入れるの！？』
「はい。ただし、他人がココロの中に入るには、ココロの持ち主の了承がないと入ることが出来ません」
「現在はアルマース様をお入れしても良いと、マオ様のココロの準備が出来ているようです」
「元人間のニセ勇者を入れるのは非常に不本意だが、称号は元々お前のものだ。責任を持って、見つけだすんだな」
『そ、そんな…』
「坊っちゃま！お気をつけください。むき出しのココロは、些細なことで変化して坊っちゃまに影響致しますゆえ」
「ああ。我のココロには触れさせん。……触れさせてたまるものか」
「では、どうぞお入りください。ご利用は無計画に！」
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『あれ？なにか落ちてる。なんだろ、これ。献血手帳？』
「お前！断りもなく何を勝手に拾っている？触れるなという話を聞いて─」
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ラズ「おはよう、マオ。相変わらず漫画にゲーム三昧かい？超勇者は不良の手本だってのによ」
「何しに来た、ベリル。また我が研究の邪魔をしに来たのか？」
「我は今から、スカート捲りの物理実験をするところだ。出ていくがいい」
「真面目に悪さの研究をするなんて、根っからの優等生だねぇ」
「そんなことよりさ、アタイとイイコトしないかい？」
「いいこと…だと？」
「そう、ボランティアさ！」
「ばっ、馬鹿言え！そんな不良みたいなことできるか！」
「こっそりやればバレないって。それに誰もやらないことをやることの方が優等生よりかっこいいじゃないか」
「こ、断る！我は魔界一の優等生になるんだからな！」
「そんなこと言わずによぉ、一緒に献血しに行こうぜ〜」
「や、やめろ！やめんか、この不良め！」
「観念しな？マオ。アンタの血は何色だ〜！？」
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『今の幻は、もしかして…昔の思い出？』
「クソ！嫌なことを思い出させてくれたものだ」
「あの時は三日三晩ごみ拾いをさせられて、その後、2Lも献血させられたんだ」
『ふぅーん、ベリルって子、いい悪魔なんだね！』
「いい悪魔だと！？悪魔として最低の不良行為の数々を我に強要してきやがったんだぞ！」
『でも、それはマオ様を思ってのことなんじゃないの？』
「ふん、馬鹿なことを」
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作者名：ユアさんの小説 | 作成日時：2023年11月16日 22時
