勇者を追って【葬送のフリーレン】

【7】過保護とお酒 ページ7

「…もしかして、フリーレンとAさんを、



少し重ねてる部分もあるのでは…？」



『……うーん、いいえ、



恐らく全くと言っていいほど、重ねてないかと。



ヒンメル様は、フリーレン様のお話をされる時、



…当たり前といえば当たり前なのですが、



他の昔話とは少し違う表情をなさいます。



恐らく、私なんかよりもっともっと、大事です。



多分、剣とステーキほど違うものとして見られてるかと』



「…ふふふ、そうかもしれません」



『いち冒険者としても、理想の関係といいますか。



私にも、私のことを話すときに、



あんな表情をしてくれる人がほしいです』



「…Aさんはヒンメルさんのことをよく分かっていらっしゃる。



試すようなことをしてすみませんでした。」



『い、いえ全然、！



…ん？試す？』



「…ふふふ。



大丈夫、Aさんにもできますよ、きっと」



「なにが？」



「うわ！！」



『ヒンメル様！！…じゃなかった、おかえりなさい』



「ただいま、A、…なんの話してたんだい、ハイター。



Aに変なことを吹き込まないでくれ」



「…それにしても、過保護過ぎません？」



『時々そう思います』









冷や汗をかくハイターと、苦笑いをしつつも、



珍しくハイテンションなヒンメルを見て、



理想の旅仲間を描く少女。



まさかフリーレンと、ハイターの大事な子と旅仲間になるとは、



微塵も思っていない少女。



フリーレンと出会うまで、あと62年。

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