【ゲゲゲの鬼太郎】紺鼠の遺影。ニゲラの花言葉。

第三百四十九話 ページ2

「うぃ〜っ」

「ししょー飲み過ぎ。只でさえお酒強くないんだからもう」


いつもとは立場が逆転している様子の輪廻と天喰さんを見る。

輪廻が天喰さんに膝枕をして水を差し出している様はなんだかシュールだ。

天喰さんお酒弱かったんだな…知らなかった。


「まぁいいじゃろう。花見なんじゃ少しくらい羽目を外しても」

「あと面倒になる度合いを考えてくれー！」


目玉さんの発言に大きく頬を膨らませる輪廻。

確かに度合いは考えてほしいな。

酔っ払って毎回こんなことになるならできればお断りしたい。


「ぜろにーたん あれ取ってー！」

「はいはい 喉つまらせねぇようによく噛めよ」


膝にいる猫娘に桜餅を取って出してやるZEROくんはなんとも言えないお兄ちゃん感を出している。

しかしこうなってからいつも鬼太郎くんにべったりだった猫娘が逆にZEROくんに懐くとは、

思いもしなかったことに少し驚きを隠せていないのが事実だ。


ほら、彼だいぶ言葉がきついだろう？

だから子供の相手とかはてっきり苦手なのかと思っていた。

下手したら子供を泣かせるかもしれないこと言う可能性だってあったから。


「おちゃー」

「はいはい」


あれだけわがままを言う猫娘なら俺も相手には困っていただろう。

やっぱり兄として妹を育てた経験とかが助けてくれてるんだろうか？


よく考えたら俺、彼のとこ特に知らないな。

蘇芳の時みたいに知ろうとしてなかった。

だけど、なんとなく彼から聞き出すのはたじってしまう。


聞いてはならない禁句のような…、

聞いてしまったら戻れなくなってしまうような…。


深淵を覗き込むような恐ろしさが、どこか彼の眼に孕まされていたから。

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