第三百三十話 ページ33
まなちゃんが強く頷いたのを見届けて、俺は輪廻の病室へと戻ることにした。
いつ悪化するかもわからないのはまなちゃんのお母さんと一緒。
友人なのだから終わるのであれば最後まで一緒にいてやりたいという俺のわがままだ。
「お、やっぴーおはようのすけー」
『…は？』
病室を開けると呑気に林檎を食べている輪廻がいる。
天喰さんと刀鍛冶さん、糸切さんまでいるじゃないか。
なんだこれ。
『輪廻お前…起きてもいいのか？！』
「おんおんすこぶる元気よー！ししょーがねお薬作ってくれたからそれでばっちぐーよ！
まぁ流石に潰れた左目は治せんかったけどねー！」
元気そうにぶんぶんと腕を振る輪廻になんだか心配した自分がアホらしく思えてきた。
なんだよ。すぐ帰ってきた俺が馬鹿みたいじゃないか。
「そこは許せ。傷は癒せてもなくなったものは癒せん。
後あんまり動かすと傷が痛むぞ」
「ぐおおおぉぉぉおおぉっっぉっーっ！」
後々からの忠告だったのか天喰さんがそう告げると同時に輪廻が腕を抑えて悶えた。
あーあー、言わんこっちゃない。なにやってんだこいつ。
「なにやっとんじゃ阿保が」
「あははー！元気なガキだねぇ！」
「全くだ。Aとは合いそうもない奴なのによく友人になれたな」
「は？？なにそれどゆこと？？喧嘩売ってる？？」
「病人は寝てなさいよ馬鹿」
天喰さん、糸切さん、刀鍛冶さん、輪廻、蘇芳の順番に言葉が飛び交った。
輪廻は刀鍛冶さんに飛びかかろうとして蘇芳が止めている。
あぁ、なんだが、お腹がむず痒い。
『あっはっはっはっ！』
思わず留めていた笑い声が弾けてしまった。
俺の笑い声に一斉に全員がこちらを向く。
「ほら笑われているぞ」
と輪廻を見ながら俺を指差す天喰さん。
「こらー！笑うんじゃねー！」
と腕を上げながら頬を膨らませる輪廻。
「なんだ。また笑えるようになったじゃないか」
満足そうな笑みを浮かべてこちらに笑いかける糸切さん。
「それは何よりだ」
安心したような息を吐いて腕を組む刀鍛冶さん。
「…よかったわねぇ」
そして、嬉しそうに微笑む蘇芳。
こんなにも幸せを感じられるだなんて昔の俺は想像できただろうか。
どうかこの風景が守れたら、なんて願うばかりだ。
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とりまろ。(プロフ) - あんこもちさん» 鳥肌になってくれて嬉しいですわッッ！(((新章も始まりまして更新バリバリ頑張りますよ！コメントありがとうございます！ (2019年4月30日 13時) (
レス) id: ba9bcb022c (このIDを非表示/違反報告)
あんこもち - わぁぁ！凄い！全部の題名と繋がった！何か意味があるんだろうなぁ〜と思ってたけどほんとに合った！あそこ読むとき鳥肌やばかったです！鬼太郎と夢主ちゃんの恋の進展も気になる、、、。更新頑張ってください！長文失礼しました。 (2019年4月30日 8時) (レス) id: 209354e5c5 (このIDを非表示/違反報告)
とりまろ。(プロフ) - 待っていてくれてありがとうございます！不定期更新ですが完結まで頑張ろうと思います！ (2019年4月20日 20時) (レス) id: ba9bcb022c (このIDを非表示/違反報告)
みっこ - 待ってました！忙しくて更新できない時が多いかもしれませんが少しずつ更新頑張ってください！これからも応援しますっ！(・ω・)ﾉｼ (2019年4月20日 20時) (レス) id: f38aff3a8c (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：とりまろ。 | 作成日時：2019年3月24日 15時
