第三十二話 ページ33
「素晴らしい！この役立たず共に攻撃が被弾しないよう
離れてから火球の妖力を散らすとは！」
『普通のことだろう』
「あぁそうだ！貴方は息をするかのごとく人を気遣う！
その優しさが仇にならなければいいですねぇ！」
赤銅が手を握りしめた
足の痛みがさらに強くなって
立てないほどに痛くなった
「所詮貴方は人間！
生きる時間も傷が治る時間も妖怪とは違う！
この痛みでさえ 耐え切れない！
脆く弱い生き物だ！」
腹の奥が煮えたぎるような感覚が起こる
ふつふつと 怒りが湧いてくる
『そうだ 人間は弱い
脆く 生きる時間も短い
だからこそ その生を受けた分だけ
必死に生きていかなければならない
それが例え 望まれていなくても』
地に足をつけながらも
刀を構えて 赤銅を睨む
「…あはっ
あははははははっ！」
突然として赤銅が笑い出した
そして次の瞬間
一瞬で怒りの表情を露わにした
「生を受けた分生きる？
望まれていなくても生きる？
殺したのは同じ人間だ！
それを追い込んだのは同じ奴らだ！
よくもまぁそんな偽善を吐けるものだ！
人間はいつも同種族で傷付けあう！」
赤銅は歯をギリギリと鳴らし
手のひらを上にあげた
「花見月式 -菊拾漆- 刃炎！」
炎の刃が俺に向けて何個も飛んでくる
流石にこれは全て切るのは無理だ
相手の狙いが俺なら
俺は死んだほうがいいだろうか
そうすれば 鬼太郎くん達も傷付かないだろうか
目を閉じ 刃炎が落ちてくるのを待った
確かに何かが切れた
ただ 俺の体には足以外の痛みがない
目を開ければ
見覚えのある髪色が目に入った
鬼太郎くんが 俺に寄りかかる
その背中からは焦げ臭い匂いがした
その時
我慢していた俺の中の何かが
ブツンっと音を立てて千切れた
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 188人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「ゲゲゲの鬼太郎」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
白桜姫 - 夢主の髪の色がめちゃいい (2020年1月23日 22時) (
レス) id: fb346ce4d5 (このIDを非表示/違反報告)
とりまろ。(プロフ) - 碌無者さん» うーん、作ったのがかなり前なのであまり覚えてはいませんが確か、この子は死んでいるから呪っても意味はないという意味を込めてだったかと思います。作者が曖昧ですいません… (2019年8月31日 12時) (レス) id: b5b6caadd7 (このIDを非表示/違反報告)
碌無者(プロフ) - 初めまして。何故正装が死装束なのですか？ 和服の合せは男女共通で、正面から見てカタカナの「ソ」になるのが正しい着方です。逆になると死んだ人に着せるものになりますので、不吉ですよ。作中で説明が成されていたら申し訳ありません。気になりましたもので。 (2019年8月30日 16時) (レス) id: 0a4b7a6801 (このIDを非表示/違反報告)
もずく。(プロフ) - レモンさん» 閲覧ありがとうございます 誤字などは私の小説では多いので指摘してくださりありがとうございました！ (2018年10月4日 15時) (レス) id: 5241d6a6f8 (このIDを非表示/違反報告)
レモン(プロフ) - はじめまして、最初から一気に途中まで読ませていただきました！！面白かったです！ (2018年10月3日 16時) (レス) id: e66d7d83c8 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：もずく。 | 作成日時：2018年4月5日 20時
