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「…………間宮とは話つけたから。
もう関わってくることはないから。」
「………そっか。話せたならよかった。」
私が間宮と話したときは全く聞き耳を持ってくれないといった感じだったけど、やっぱり伍代だと話が通じたんだ。ちゃんと話すことができてよかったと一安心した。
「間宮はさ、中学のときのツレで。まぁ、ヤクザとかそっちと関わっちまったせいで年少入ってたんだよ。
あいつが年少から出てきて、俺のところに来たから絶対なんかしてくると思った。あいつヤクザと関わってるから絶対やばいと思って、」
「………。」
「どうしたらいいか俺自身もわからなくて。Aと一緒にいたら絶対接触するって思ってどうにか防ぎたくて、守りたくて、近づくなとか、ひでーこと言って遠ざけた。会わなければ狙われることもないと思った。」
あのとき、突然突き放された理由を聞かされる。
伍代も悩んで、私を守るためについた嘘だった。
「結局巻き込んじまったからあんな言い方して吉川を傷つけただけだった。本当ごめん。あんなひどい言い方しかできなくて。結局こんな巻き込んで。ごめん。本当にごめん………」
自分のせいだと何度も何度も繰り返し謝る。
「………何もなかったから本当に大丈夫。守ってくれてありがとう。」
「でも結局あんな目にあわせて、傷つけた。守れてねぇよ……」
「そんなことないよ。助けにきてくれたから。絶対来てくれるって信じてたよ。だから平気。」
落ち込んでる彼に心配かけたくなくて、安心してもらえるように言葉をかけた。
ふと顔を上げた伍代と視線が合う。
思ったより距離が近い。
恥ずかしくなって視線を外すと、逃がさないとばかりに頬に手を添えられ、強引に彼の方に向かされた。
再び交わる視線。
考える間もなく、近づく彼に唇を奪われた。
されるがままで、抵抗なんてもうしない。
彼を少しでも感じれることが嬉しくて、何度も重なり合う口づけをただ、ただ、求めていた。
唇を離されると代わりに強く抱き締められる。
「悪い。ちょっとだけこうしたい…………」
そっと彼の背中に腕を回した。
もっと彼の体温を感じたくて…
それに答えるように彼の腕の力も少し強くなる。
どうしてこんなにも抱き締められるだけで安心するのだろう。
そう思いながらしばらく彼の腕の中にいた。
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みお(プロフ) - めちゃめちゃ面白いです!更新楽しみにしてます! (2022年6月25日 22時) (レス) @page13 id: a084972b78 (このIDを非表示/違反報告)
みゆり - こんにちは!急なんですけどなんか最近伍代くん関連の作品キスシーン多くないですか?妄想が止まらなくて読むたびにカッコいい伍代くんに半殺しにされてるんですけど…。これからも更新楽しみにしてます!頑張ってください! (2022年6月18日 13時) (レス) @page4 id: 62691ac6fc (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:優奈 | 作成日時:2022年5月9日 23時