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一台のバイクが停まり、見覚えのあるシルエットが目に入る。
「おせぇぞ直樹!
待ちくたびれておまえの女に相手してもらおうと思ってたとこだったわ。」
「おい、間宮!!てめー!!!」
私の存在に気づいた伍代は怒りをあらわにして叫び、向かってくる男達を次々と殴り飛ばしていく。
最後に残っていた男を殴ると、そのまま馬乗りになって怒りの感情をぶつけるように、ひたすら殴り続けていた。
「伍代!!ねえ、伍代、もう死んじゃう……!!」
さすがに止めないとと思って焦って呼ぶが、全く聞こえておらず、止まることがない。
「伍代、やめて!!!!」
出せる精一杯の声が倉庫中に響き渡る。
声が届いたのか、伍代はゆっくりと拳をおろすと、男から離れた。
「…………悪い、…遅くなって。」
伍代は着ていた上着を私にかける。
縛られていた手足の紐をほどいてくれて、そのまま強く抱き締められた。
「ごめん、俺のせいで。ごめん………」
強く、抱き締められ、伝わってくる温もりに安心する。
安心感からさっきまでの恐怖が少しずつ和らいでいく。
よかった、助かった………
……
いつの間にか気を失っていたらしい。
気がついたときには自分の家のベット上にいた。
「………起きたか。」
「……え、私………」
「安心したせいか、急に気失ってたんだよ。」
「………そうだったんだ。ごめんね、運んでくれたんだね。」
「いや、全然。………むしろ怖い思いさせて悪かった。全部俺のせいだ。本当に………ごめん。」
すべての責任を感じているのだろう。
今にも消えそうな声だった。
責任なんて思わなくていい。結果、助けてくれたんだから。
あんな状況になったのは私が相手を挑発してしまったせいだ。悪いのは何も考えてなかった自分自身。伍代が来てくれなかったらと考えるだけで怖い。だからお礼をいうのはこっちの方。
「…………大丈夫だよ。
助けにきてくれてありがとう。」
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みお(プロフ) - めちゃめちゃ面白いです!更新楽しみにしてます! (2022年6月25日 22時) (レス) @page13 id: a084972b78 (このIDを非表示/違反報告)
みゆり - こんにちは!急なんですけどなんか最近伍代くん関連の作品キスシーン多くないですか?妄想が止まらなくて読むたびにカッコいい伍代くんに半殺しにされてるんですけど…。これからも更新楽しみにしてます!頑張ってください! (2022年6月18日 13時) (レス) @page4 id: 62691ac6fc (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:優奈 | 作成日時:2022年5月9日 23時