第5話 ページ5
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『･･･で、ギターの石井君が私に何の用かな？』
「･･･いや、石井マネージャーやなくて、姉ちゃんにお願い！少しの間住まわせて！」
『それ、嫌って言うたらどうすんの？』
「粘るつもり」
『･･･、狭いよ？』
「それでも！今の俺の方が狭い！」
土下座さながら、手を合わせる輝明にどうしても勝てそうになく、泣く泣く承諾してしまった。どうやら、家賃滞納でほぼ追い出される寸前だったらしい。･･･それやったら先輩でも同期でも頼れや、とは思ったものの、親族の頼みはあまり断れないので、それに漬け込まれた。しょうがない、それが私の性格だ、と言い聞かせてなるべく大きめの服を用意する。
「姉ちゃんって、案外ちゃんとしてんねや」
『してるわ、マネージャーなめんなや』
「でも、天然やん」
『弟のアンタには言われたない！』
「弟言っても年子やけどな」
83年と84年。いわゆる、年子の姉弟。顔は、そこまで似ていなく、石井というどこにでもいるような名前なので、今の所、バレた試しはない。私も大々的に顔を出したことがないのでバレていないというのもあるのだろうが。
『なんで、下の二人は吉本に･･･って言われたわ』
「俺は、帰ってへんからな〜」
『帰ったら分かるで。なんか、疎外感を感じる』
お酒を開けながら、帰省の時の話をする。輝明は、何やかんやあって(多分嘘)帰れなかったらしく、話を聞いてはニヤニヤしながら怖い怖いと言っていた。こういう時に、弟感を出してくる。いつもは、弟扱いするなとか言うくせに。年子恐るべし。
「で？姉ちゃん、鎌鼬さん担当してるんやろ？」
『なんで知ってるん？』
「先輩が言ってるのを聞いてん、。オンストとか取ってきたって」
確かに、初めて大きな仕事を取ってきたのはラジオのレギュラーだった。賞レースも相まって、鎌鼬さんの評価がグッと上がり、たちまち実力派の若手芸人へとのし上がって行った。それも、私の力ではなく、彼らが大阪の賞レースを取っての事なので本当は彼らの実力なのだが。
『彼らがおもろいねん。私は、仕事を入れてるだけ』
「でも凄いやん。いつか、マネージメントしてや」
『家族経営みたいになるから嫌やな。断っとく』
なんでぇー、と言われるが酔っていて眠くなってきた。寝る、と言って寝室に向かう。今日は、色々と疲れたのか、寝つきが良かった。
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柊(プロフ) - 完結おめでとうございます！ご本人のキャラ崩壊などが無くてすごく面白かったです！ (2021年9月7日 9時) (
レス) id: 951bb9cd74 (このIDを非表示/違反報告)
妖狼(プロフ) - 濱家さんと夢主ちゃんがどっちも大好き同士でめっちゃキュンキュンしました！更新、気長に待ってます！ (2020年8月29日 23時) (レス) id: 0267bb7316 (このIDを非表示/違反報告)
うら(プロフ) - 最近好きになりつつあって偶然こちらの小説を発見、思わず最後まで読み込んでしまいました。すごく面白かったです！犬っぽい感じが想像出来てキュンとしました。早く次の話が更新されないかとワクワクしながら待ってます。応援してます！ (2020年1月7日 19時) (レス) id: a403eefda5 (このIDを非表示/違反報告)
白桃(プロフ) - 「毒入りキャラメル」かな？（笑）嬉しいなあ。でも明鳥さんには敵わないよ。新作書いてるから更新頑張ってくださいね！！ (2019年2月7日 19時) (レス) id: e1db0d658c (このIDを非表示/違反報告)
明烏(プロフ) - 白桃さん» ありがとうございます！白桃さんの作品いつも拝見させていただいてます。これからも頑張ってください！ (2019年2月6日 19時) (レス) id: 61727da3e8 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：明烏 | 作成日時：2019年2月3日 17時
