カスミソウ (ページ26)

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Episode 26 ページ26

昼休みになってもモヤモヤが消えなかった私は、問題集ではなくあの楽譜を抱え、旧校舎の音楽室にやってきた。

何かあった時の私は必ずここに来て、誰に聞かせるわけでもなく、あの曲を弾く。

何も考えなくていい時間、どうしても1人になりたい時、誰にも言わずここに来る。

まだ完璧とは言えない、彼がくれた楽譜の曲。

YG「いた。」

『ユンギ、せんせ…』

よりによっていちばん会いたくない人。

YG「今弾いてたの、」

『前に話した、私が唯一弾ける曲です。』

ユンギ先生が優しく微笑む。

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YG「やっぱりそうだったんだな」

『せんせ、もしかして』

私達は、開けては行けないパンドラの箱を開けてしまった。

『私、先生がこの学校に来た時、マイク越しに聞いた声が、なんだか懐かしいなって思ってたんです。』

YG「そっか、、」

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『先生、私…』

思いの丈を伝えようとした時、先生の指先が私の唇を止めた

YG「これ、19時電話して。」

小さな紙を楽譜の前に置き、先生は教室から出ていった。

達筆なユンギ先生の文字で数字が並ぶ紙を抱え、私も教室に戻ることにした。