カスミソウ (ページ18)

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Episode 18 ページ18

宿題もひと段落着いて、オッパのせいで頭から離れなくなったあの楽譜を持ち、迷わず部屋の片隅に置かれたキーボードに向かう。

中学生の頃、どうしてもあの曲を弾けるようになりたいとわがままを言い続けてきた私に仕方なくお母さんが買ってくれた電子キーボード。

もしかしたらという期待に胸が踊り、ヘッドホンに手を伸ばす。

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まだ、あの日の“あの人”のように上手くは弾けないけれど

少しづつ上達しているメロディにユンギ先生の優しい笑顔が浮かぶ。

ポケットにしまっていた携帯がカトクの通知を知らせる。

JK「いま、話せる？」

グクからのカトクに部屋の窓を開ける。

隣同士の私とグクの部屋。
昔からよくこうして会話したり、お互いの部屋を行き来していた。

『どうしたの？』

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JK「あのさ、来週末の試合終わったら話したいことあるんだよね。」

少し間が空いて、急に真面目な顔で話し出すグクに戸惑いながらも、分かった。と一言返せば、グクは直ぐに窓を閉めてしまった。

グクからの用が済んで練習スイッチが切れた私はお風呂に入って寝ることにした。