カスミソウ (ページ13)

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Episode 13 【YG】ページ13

最近、毎日のようにここ(国語科資料室)に訪ねて来る生徒がいる。

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正直俺はその子が気になっている。

どうして毎日ここ(国語科資料室)に来るのか

教室にいる時じゃなく、わざわざ昼休みに。

『ねぇせんせ、ここの問題分からないんですけど…』

｢どれ、、あぁ、これはこっからここまでの文読んでみれば、こうなって…｣

友達への言い訳。

やってなくても、なんて言うけど意外とちゃんとやるこの子。

現代文頑張ろうキャンペーン中らしいし、そんなもんなのか？

健気というか、前の担任の時にもこうやって昼休みにココに来ては勉強していたらしい。

苦手でも頑張って覚えようとしている努力家な彼女。

YG「Aさんはさ、なんで苦手な現代文、そこまで頑張ろうとしてるんだ？｣

『だってユナ先生が帰ってきた時に現代文の成績下がってたら絶対ショック受けるかなぁって。
ここに来て教えてもらう時間をなくしたことで…
それに、ユンギ先生のメンツも丸つぶれになっちゃうし、、、』

まさか自分のことまで考えてくれとるとは思わず、正直驚いた。

『せんせ？聞いてます？』

YG｢あ、悪い、なんだった？｣

『変なの笑
答え、これで合ってますか？』

YG｢お。すごい。あってる。
だいぶ出来るようになったなぁ。｣

ー予鈴ー

まさかのタイミングで予鈴がなった。

『じゃあ、私行きます。今日もありがとうございました！』

YG｢ん、午後も頑張れよ。｣

昼休みはあっという間。

彼女と2人きりで過ごせるこの時間が俺にとって忙しなくすぎる毎日の、たった一つの癒しの空間だった。

彼女の頑張る姿に、抱いては行けない感情が芽生え始めていたことに、この時の俺はまだ気づいていない。

そして、あの日の“あの子”が彼女であるということにも。