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知不 ページ22

「ゼロ、吉岡さんのこと嫌いだって言ってたし」


本当に何もなかった?


鎌をかけるような念押し。


ゼロの性格上、嫌いと判断した人間に自ら関わろうとするのは考えにくい。


だから昨日、無理やりゼロと吉岡を引き合わせたわけだし。


…いや、ほんと、それについては今さらだけど吉岡には申し訳ないと思う。


ゼロが吉岡のことをよく思ってないことを知っていて、

加えてゼロの性格も知っているのに二人きりにさせたんだ。


ちょっと考えればゼロが吉岡に苦い顔で『お前のことが嫌いだ』と言ってもおかしくない。


こいつはそういう奴だ。


「べつに…。あ、でも」


ほんの一瞬だけ押し黙ったゼロは


「…これから毎日あいつに勉強教えてやることにした」


拗ねたような尖った口元と、上から目線な言い方でそう言った。


それが何ともプライドの高いゼロっぽくて、思わず小さく吹き出す。


「笑うな」

「ははっ、ごめん」


拗ねた横顔はたぶん照れ隠し。


でも、ゼロ本人から件のことを聞けた。

てことはその話を俺から持ち出しても怪しまれないということ。


吉岡からは聞いたけど、俺と吉岡が知り合いだということはバレてはいけない事項。


ゼロからその話を聞かされてない状況で俺がその話をすると、

なんでお前がそのことを知ってるんだと吉岡との関係を勘づかれるだろう。


吉岡と俺の関係が明るみになったところで、俺は別段問題ない。


むしろなんで吉岡は隠そうとするのか疑問だ。今さら真相を聞くつもりはないけど。


「ゼロはさぁ」


昨日何があったのかは知らないけど。


ゼロの中で、吉岡に対しての印象みたいなものが少し変わったのは事実だろう。


「吉岡さんのこと嫌いじゃなくなったの?」


じゃなきゃ毎日顔を合わせるなんてこと、自ら提案しないはず。


俺の質問に、元々大きいゼロの瞳がさらに、少しだけ大きくなった。


でもそれは一瞬で。


「……よくわかんない」


考え込むような表情から、ぽつりと独り言のようにそう言葉を漏らした。

現実→←今日も一日



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かものはし子(プロフ) - フライドポテトさん» 励みになるコメントをありがとうございます(*^^*) (2019年9月17日 13時) (レス) id: e4c7a737a2 (このIDを非表示/違反報告)
フライドポテト(プロフ) - めちゃめちゃ好きです。ドツボです。頑張ってください!!!更新待ってます。 (2019年9月17日 2時) (レス) id: 59946ff9b9 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:かものはし子 | 作成日時:2019年7月23日 18時

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