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今日も一日 ページ21

朝起きてからいつも通りの一日の始まり。


昨日とは違う朝ごはんを腹に収める以外は、家を出るまで同じことの繰り返し。


顔を洗う。歯を磨く。寝癖を治す。制服に着替える。ニュースを見る。天気予報を見る。


家を出る時間は毎日同じ。

うん。今日も代わり映えしない一日だ。


日中に比べればまだマシな気温も

歩いているうちにじっとりとした汗が滲む。


平穏。平凡。平静。安定。


けど、今日はなんとなく。

足取りがほんの少し軽い気がする。


…いや。きっと気のせいだ。


「ゼロ?」


軽く頭を振っていると名前を呼ばれた。


「ヒロ。おはよ」

「おはよう。どうかした?」


隣に並んで訝しげにこちらを見るヒロに何でもないと返して、

今度は俺が顔を顰める。


「それより…昨日の。何だったんだ」

「ん?あー、あー……ははっ」


笑って流そうとするヒロに一層眉間の皺を深くするけど、

眉を下げて「ごめんごめん」と笑うヒロにまあいいかと表情筋が緩んでしまう。


「別にいいけど」

「…うん。ごめんな」


何に対してだよ、と心の中で悪態つく。


ヒロが自分から言わないことを、俺が深く追求しないとわかってて言わないくせに。


ただ、詮索しないわけじゃない。


問いたださないだけで。一つ一つヒントを拾い上げて、ヒロが言わないそれが何なのかを当ててやる。


「それで、昨日はどうだった?」

「別に。特に何もなかったよ」


ただ問題を解く吉岡に、間違ったところがあれば指摘する。それだけ。


「ほんと?吉岡さんに何も言ってない?」

「言うって、何を」

「お前のこと嫌いだとか」


…真面目な顔で何言ってんだよヒロ。


「言うわけないだろ」

「そうか?ゼロは嘘つけないし、何かの拍子に他意なくそういうこと言うかもしれないだろ?」

「うっ…」


否定したいけどしきれない。


物事をハッキリさせたい性格が、いつからか人間関係にも反映されるようになった。


悪意や好意を向けてくる人間を放っておくと付け上がり奴らはさらに調子に乗る。

だから嫌いだと、迷惑だと、ハッキリ拒絶を示す。


その方がこちらの精神も幾分か楽になるから。これは経験則だ。


それが段々と板につき、いつの間にか予防線の如くほぼ初対面の人間を警戒するようになった。

知不→←仲



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かものはし子(プロフ) - フライドポテトさん» 励みになるコメントをありがとうございます(*^^*) (2019年9月17日 13時) (レス) id: e4c7a737a2 (このIDを非表示/違反報告)
フライドポテト(プロフ) - めちゃめちゃ好きです。ドツボです。頑張ってください!!!更新待ってます。 (2019年9月17日 2時) (レス) id: 59946ff9b9 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:かものはし子 | 作成日時:2019年7月23日 18時

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