白馬と君と ページ46
翌朝。
なかなか寝付けず、浅い眠りを繰り返していると。いつの間にか、時計の短針は5の数字を通り過ぎていた。
ふらりと起き上がって、簡単に身だしなみを整える。カーテンを開け小窓から外を見ると、此方に背を向けて作業をする白い背中がひとつ見えた。
ガラス窓を引き上げ、朝の空気を感じながらその光景をぼーっと眺める。すると、私に気付いた彼が手を振り、こっちに来いというように手招きした。
私は窓を閉めることも忘れ、急いで階下に向かう。中庭の扉前には、優しく笑った彼が待ってくれていた。
ht：「おはよう。朝早いんだね。」
曖昧に笑って、こくっと頷けば、ひとらん様は肩を揺らして苦笑する。彼に続いて中庭に足を踏み入れると、沢山の動物たちが私を出迎えてくれた。
ht：「あ〜、こら！待て！…ごめんね、Aちゃん。あの…、動物は苦手とかある？」
元気に走ってきた大型の犬たちを私から離し、そう尋ねるひとらん様。彼自身は犬に飛びつかれているので、白い軍服に土汚れがベタベタと付く。が、全く気にしている様子は無かった。
私は首を横に振り、動物たちに手を伸ばす。擦り寄ってきてくれた子をそっと抱きしめて撫でると、ひとらん様は嬉しそうに目を細めた。
ht：「ふふっ。良かった。」
それだけ言って、近くに居た動物たちをひと撫でした後。「水やりが途中だから」と、彼は小型のビニールハウスの方へ歩いていった。
私は余計に動物たちに囲まれてしまって、もはや動けない。皆平等に、と思って忙しなく手を動かして撫でると、ゴロゴロと喉を鳴らしたり、お腹を見せて甘えたり。
1番びっくりしたのは、真っ白な馬が近くまで寄ってきていたこと。頭や服をパクパクと口で食まれている感覚で気づき、振り返った時はすごく驚いた。
鼻の辺りを撫でて、きゅって抱きつくと、なんだか受け入れてくれてるような感じがして。『ありがとう』って口パクで伝えたら、答えるようにブルルッと鳴いた。
ht：「外道丸とも仲良くなったんだね。」
いつの間にか横にはひとらん様が居て、目の前の真っ白な馬に手を寄せている。外道丸…と呼ばれたその馬は、嬉しそうに顔を擦り付けた。
ht：「外道丸と友達なら、俺とも友達だ。改めて、これからもよろしくAちゃん。」
それから少しして、2人で食堂に向かう。優しく話し掛けてくれて、とても楽しかった。
その頃、桃色の彼はひとり、それを見てヤキモチ？を焼いていたという…。
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ミノリ(プロフ) - あんさん» コメントありがとうございます！！！めちゃめちゃ嬉しいです！！なるべく早く更新できるよう頑張りますね！ (2021年2月1日 11時) (
レス) id: e01edd4ee3 (このIDを非表示/違反報告)
あん(プロフ) - とても面白いです！！！つい読みいっちゃいました！！！ (2021年2月1日 0時) (レス) id: b9be5feb1c (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ミノリ | 作成日時：2020年9月28日 11時
