そこから進んだ12月末の話 ページ11
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歌謡祭の途中でスタンバイのアナウンスがスタッフさんから入ると、私以外のメンバーがぞろぞろと列を成して黒い円卓テーブルから離れていく。
ひどく緊張してる人もいれば、年末のフル回転にくたびれた顔をしてる人もいるけど、ステージに上がれば皆その面影も無くなるんだろうなぁ。
私をここに一人で残しておくのが心配なのか、最後まで「Aも行く?」と聞いてきたジュニヒョンがウジヒョンに引き摺られていった。
これで完全に一人ぼっち。
そろそろこの慌ただしいスケジュールも落ち着きそうだ。
頭の中で予定を組み立てながら水を飲むと、さっき後ろを通っていったはずの人に椅子を引っ張られた。
「……なにしてるんですか」
「ウォノヒョンがさあ、『Aが一人で可哀想だから、こっちに呼んであげたら?』って」
そう言ったミニョクさんが、私に向かって「優しいんだよ、ヒョン」と親指を立てる。
「いやいや、一人で大丈夫です」
「遠慮するなって」
「……じゃあ、嫌です」
「ま〜た始まった!」
「実は私の足、接着剤でくっついてるので動きません。あと椅子も」
「踏ん張ってるように見えるけど?」
「気のせいじゃないですか?」
観念したのか、不機嫌にぷくっと頬を膨らませたミニョクさんが自分の席へ戻っていった。
再び訪れた平和を噛みしめながら司会者の話を聞き流していると、今度は他の六人も引き連れて、全員がそれぞれこっちの丸テーブルに座る。
__「ああ、もうなんで……」
KH「お前がこっちに来ないからオレ達がわざわざ来てやったんだろ」
__「そうですか……せめてミニョクさんとキヒョンさんは離れたところに座っていただいてもよろしいですか」
MH「なんでだよ〜」
__「周りで見てる人からネタにされるから」
MH「オレ、この前サイン会の時言われたよ『Aから嫌われてるよね』って」
__「私もサイン会の度、絶対一回は『嫌い?』って聞かれますよ」
WH「どう答えてるの……?」
__「嫌いじゃないですって言います」
JH「好きでもないんだよね〜」
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せの(プロフ) - ゆーさん» ありがとうございます!昨日ですよね。交通機関が所々麻痺してたのでちゃんと会場に向かえてたらいいんですが……お恵みが欲しいのでプレディス神社にポイを貼りつけようと思います (2019年10月14日 9時) (レス) id: dc29b0018c (このIDを非表示/違反報告)
ゆー - 作者様のファンです。コンサートは外れてしまいましたが、握手会に行きます。作者様の分までメンバーを見てきます。作者様にもセブチからのお恵みがありますよう祈ります。 (2019年10月11日 22時) (レス) id: 4373b2733c (このIDを非表示/違反報告)
せの(プロフ) - konusasanさん» 私も公演中止決定してからツイッター見れなかったです(見た)ありがとうございます、払い戻された金で宝くじ当てて私達も一緒にワルツ回りましょうね…… (2019年10月10日 8時) (レス) id: dc29b0018c (このIDを非表示/違反報告)
せの(プロフ) - ゆかりさん» 思い起こせば赤髪のウーさんに「ミンギュwww」って言ってる頃が一番楽しかったですよね。ありがとうございます、わたしたち強く生きましょう…… (2019年10月10日 8時) (レス) id: dc29b0018c (このIDを非表示/違反報告)
konusasan(プロフ) - はじめまして、作者様の大ファンです。私も12日を楽しみに生きてきて、今日ショックで何も手につきませんでした。どうか、作者様に素敵な出来事が沢山起こることを祈っております。辛いことには変わりませんが作者様の心が少しでも軽くなれば幸いです。 (2019年10月10日 2時) (レス) id: 2d5dcafa21 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:せの | 作成日時:2019年9月30日 10時