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【川西ver】
賢「あ、お取り込み中やね、ごめんごめん」
「あ!ちょっ」
スマホに目線を落としながら歩いてきたかと思えば、
少し驚いた顔をして、申し訳なさそうにはにかみ、
すぐにその場を後にする。
ブーブーブーブー
「あ!電話!すんません、仕事の電話や!」
ス「え、あっ、ちょっと!Aさん!」
「また!また今度!!!」
口説かれ真っ只中の網を掻い潜り、
良いタイミングでかかってきた電話に縋り付くように
勢いよくその場を離れて、
「、、粋なヘルプありがとうございます」
賢「いえいえ、どういたしまして」
喫煙所でこれまたスマホ片手に微笑む発信者に、
ペコっと頭を下げる。
「…けんしろさんに見捨てられたかと思いました」
賢「俺がAを?そんなわけないやん」
「まあ、、、そらそうか」
賢「妙な間空けて納得されると気恥ずかしいわあ」
「そういうこと言うたらこっちも恥ずかしなるから!」
賢「ふふ、ごめんごめん」
「絶対わざとや」と呟きながら、
自分もポケットからタバコを取り出し、火をつける。
賢「ああいうん見ると、」
「はい?」
賢「先言うといてよかったと思うわあ」
「、、、ぐっ」
賢「ふはっ、なんの音やのそれ」
「『うわ、ここで掘り返してきおる』のぐっ、です」
賢「一文字もその音入ってないけどね」
自分の放つ言葉に、いちいち可愛い反応を示す。
そんな想い人に対して、愛おしさでいっぱいの表情。
賢「久々やなあ、こうやって2人なんの」
「たしかに」
賢「、、2人なるん避けてたやろ?」
「避けてはないけど、、世界がそう動いてたんかも」
賢「めちゃくちゃ世界の中心におるやん、A」
訳の分からない返答にも慣れた様子。
クスクス笑いながら、この時間が楽しいようで。
賢「避けられんのは悲しいから、もうせんとってくれたら嬉しいんやけど?」
「ゔ〜、、だって〜」
賢「ええねんええねん、ここまで待ってんから。気長に待ってるから」
「うぁい、、」
賢「変な返事やなあほんま。かわええわあ」
「出た!!!攻撃してくる!!」
賢「攻撃て。ただ素直な気持ち言うてるだけやのに」
「もー!!性格の悪さが出てますて!」
赤くなる顔を押さえて嘆く彼女の姿を見つめ、
自分だけの特権と言わんばかりに、
嬉しそうな顔をして微笑む。
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作者名:よいちょちょちょ丸。 | 作成日時:2022年2月24日 10時