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リ「…A?」



顔を覗き込むと、口をぱくぱくさせていて。

あ、これやばい。



Aの出方を見守るゆず兄に、目線を送って首を小さく左右に振る。




ゆ「お時間とらせてすんません!!ちょっとうちの子、久々すぎて緊張で喋られへんみたいです!」

盛「チビロリばばあって言ったやつぶっとばすぞって言うてます」

ゆ「お客さんになんてこと言うてんねん!」






2人が何ラリーかしてくれとる間に、舞台に溢れる若手の後ろにAをさげて。



盛「お付き合いありがとうございました!!!」

ゆ「ありがとうございましたー!!」




拍手喝采の中、

「Aー!!」「がんばれよー!!」という声が聞こえてるのか聞こえてないのか、


暗転と同時に、俺の腕の中でAは意識を手放した。
















リ「ちょっと急ぎすぎたすかね」

ゆ「さすがに無理矢理すぎたか」

盛「でも俺ほんま感動したわ、、」

稲「お客さんの声、届いとったらええなあ」



畳の楽屋で、眠るAを見下ろして反省会。

過呼吸を起こしてたけど、落ち着いたのか寝息が響く。






稲「パニック障害、ってやつなんやろなあ」

リ「剛さんのやつすよね、治るんすよね?」

ゆ「治りはするやろけどなあ、、」

盛「…ほんま本人次第すよね」

リ「…もう一緒にやれんとか、、ありえんやろ」

ゆ「それは俺らが決めてええことちゃうやろ」

リ「まあ、そうすけど、、」




ゆず兄の言葉に、ぐうの音も出ん。


今日、舞台にあげたいっていうのは俺らのわがままで。


ちょっとでも、あの光の中に立ってほしかった。


Aを待ってる人がいっぱいおることをわかって欲しかった。


このままほっといたら、ここからおらんくなりそうで。





ゆ「とりあえずどうすんねん、こいつ」

リ「家運びます、今日ほんまありがとうございました」

ゆ「ええねん、そんなん。俺もやりたかったことや」

稲「Aちゃんとご飯行きたかったなあ」

ゆ「……明日お前ら大阪か?」

盛「はい、大阪8ステです」





俺らの予定を聞いて、ニヤリと八重歯を見せたかと思うと、




ゆ「ほんなら明日やな」


とスマホを出して。





ゆ「夜、空けとけってそいつにも言うといて」

盛「え、なに?!めっちゃ悪い顔してはる!」

ゆ「心配かけた罰や、ぱーっといこか」

01 祝賀。→←05



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作者名:よいちょちょちょ丸。 | 作成日時:2022年2月24日 10時

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