Give you my heart 3 (ページ28)

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十二月がますます深い雪を連れてやってきた。
五年生の宿題も雪崩のように押し寄せている。

さらには、リーマスとリリーの監督生としての役目も、クリスマスが近づくにつれてどんどん荷が重くなっていた。

城の飾り付けの監督をしたり、厳寒で、一・二年生が休み時間に城内にいるのを監視したり、アーガス・フィルチと一緒に、交代で廊下の見回りもした。フィルチはクリスマス・ムードのせいで決闘が多発するのではないかと疑っていた。

クリスマス休暇ももう時期だ。

Aはこの休暇は、ホグワーツに残る予定だ。
ジェームズやリーマス、リリーは実家でのクリスマスを楽しむそう。シリウスは、ブラック家でのクリスマスパーティがある為に、家に帰るのだろう(今朝の大広間で、ローザ・ノットがお得意のキンキン声で｢クリスマスはシリウスとパーティよ♡もしかしたら、彼、そこで私のことを“婚約者”として紹介するつもりなのかしら♡｣と言っていた)。

祖父のアルバスも今年は仕事の用事があるようで、フランスへ旅にでている。実戦練習や、決闘をしない、穏やかなクリスマス休暇は久しぶりだった。

それもそのはず。アルバスが、今年のAに言い渡した課題は“テレパシー”能力の習得だったため、まずはこの能力を習得しなくては、実戦練習には移ることは不可能なのだ。

ホグワーツで過ごすクリスマスはもう何度目かだが、何度経験したって、ここでのクリスマスは輝いていた。

大広間は豪華絢爛だ。

リーマスやリリーを筆頭とする各寮の監督生たちが、雑用にブーブーと文句を言いながらも飾り付けをした、豪華なクリスマスツリーが何本も立ち並び、ヒイラギやヤドリギの小枝が、天井を縫うように飾られ、魔法で、天井から暖かく乾いた雪が降りしきっていた。

クリスマス・ディナーの時には、先生方のお気に入りのクリスマス・キャロルが大広間中に響き渡り、普段はお酒を飲まないマクゴナガル先生でさえも、ゴブレットでシャンパンを召し上がっていた。

Aは、そんな賑やかなホグワーツのクリスマスが大好きだった。ディナーのメニューもこれまた豪華で、普段のメニューにはない、クリスマス特別なメニューもいくつかテーブルに並んでいた。ローストビーフの山に、カラフルなケーキ、シャンメリー⋯

Aは、何時もだったら飛んで喜んだであろうディナーにも、今回ばかりは、食事をする手が止まっていた。