今と昔の夢 ページ14
「俺さ、寮に入ることになった。」
「うん、知ってるよ。すごいね、頑張ってね。」
翔平くんの顔を見てしまったら泣いてしまいそうで床を見ながら言った。
今日はとってもめでたい日で、翔平くんが夢に向かって頑張ることは何よりもすごいことなのに涙が出そうな私が自分で理解できなくて、感情と自分自身が分からなかった。
変じゃなかったかな?うまく言えたかな?
考えながら歩いていると翔平くんに捕まれた腕。
その勢いのまま振り返る体。
いつかの光景が頭によぎる。
「Aには夢はある?」
「夢…?」
「うん、将来の夢。」
この話題は最近の私の悩みの1つでもあった。
授業で進路学習をする度に周りのみんなは大まかに夢が決まっていて、私はこれと言ってしたいことがなく新学期からは真剣に考えないといけない卒業後の進路も何も決められていなかった。
「特にないよ…、なんで?」
「…じゃあ小さい時に言ってたAの夢が将来の夢って事でいい?」
小さい時に言ってた夢…?
『Aちゃんの将来の夢はなぁに?』
『うーん、Aは翔平くんと一緒にいること!』
『僕と?』
『うん!翔平くんとおてて繋いでずっと仲良しでいるの!』
まだ2人が幼稚園児の頃に交わした会話を思い出した。
私でさえも忘れていたのに…。
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みねるば(プロフ) - きまさん» 初めまして!いつも読んで頂きありがとうございます!素敵なコメント本当に嬉しいです…! (2023年4月12日 23時) (レス) id: 70cdba34fe (このIDを非表示/違反報告)
きま(プロフ) - はじめまして!いつも楽しみに読んでいます!みねるばさんの書くお話が大好きです!これからも応援しています♡ (2023年4月12日 23時) (レス) @page37 id: f0d962c024 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:みねるば | 作成日時:2023年4月2日 16時