少しのぎこちなさ ページ13
卒業式は無事終わり、私たちが演奏をしながら沢山の拍手に包まれて退場をして行く翔平くんを見送ることができた。
とても楽しそうな声が聞こえる3年生の廊下を横目に吹奏楽部員は楽器の撤収に大忙しだった。
なんとか運び終わり譜面台を持って後輩と音楽室へと向かっていると
「A」
卒業証書が入った筒を持って胸元には綺麗な造花が付いた翔平くんが駆け寄ってきた。
後輩と同い年の子が小さな声できゃーと言ったのが聞こえた。
「Aお母さんが写真撮りたいから来て欲しいって…、あー、A借りても良いですか？」
そう尋ねた翔平くんに首が取れるんじゃないかっていうくらいの速さで頷いた3人は私の譜面台を取り上げ、私を翔平くんの方へと押した。
そんな後押しを受けて校門前で待っていると言うかよちゃんの元に向かう。
「翔平くん卒業おめでとう、久しぶりだね！」
私は悲しそうな顔をせず普通に言えているだろうか。
「ありがとう。そうだね、本当に久しぶり。」
お互い久しぶりすぎて気まずいのか少しの沈黙。
遠くで少しザワザワした声と私たちの歩く音だけが響く。
「式の時Aがよく見えたよ。見てたの気づいてた？」
「目が合ってる気がしたけど遠くて分からなかったよ。本当に見てたんだね。」
「うん、見てたよ。」
「そっか…。」
なんだかいつもみたいに会話が続かなくてお互いぎこちなかった。
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みねるば(プロフ) - きまさん» 初めまして!いつも読んで頂きありがとうございます!素敵なコメント本当に嬉しいです…! (2023年4月12日 23時) (
レス) id: 70cdba34fe (このIDを非表示/違反報告)
きま(プロフ) - はじめまして！いつも楽しみに読んでいます！みねるばさんの書くお話が大好きです！これからも応援しています♡ (2023年4月12日 23時) (レス) @page37 id: f0d962c024 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：みねるば | 作成日時：2023年4月2日 16時
