76、酔ってる人は酔ってないと言う ページ31
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高専を出たのは1時を回っていた。
電車もないし、寮に泊まるかと思っていたところを、帰り道が同じ方向の補助監督さんに家まで送ってもらった。
マンションの廊下を歩き進めると部屋の前で2人の人影が。
『…何してんの?』
「え、Aサン!?
……七海サン起きてください!!ここAサンの家だって!!」
「…A?」
状況がよく掴めないけど、酔ってると思われる七海が猪野くんに担がれていた。
七海のカバンの中身は廊下に散らばっている。
『どうしたの……とりあえず入って、』
「本当にスミマセン!」
鍵を開けて先に入るように促した。
廊下に散らばった荷物を拾って、後から中へ入った。
『いった〜〜、何すんの!』
鍵を閉める前にドン、と玄関の扉に押しつけられた。
この酔っ払いめ……後頭部激痛なんだけど。
「A……会いたかった。」
熱を帯びた目で私を見る。
酔っ払ってるせい、と思う事にしておく。
これはヤバい、本能がそう言う。
『重い、それに酒臭い。』
「……臭い?」
『2人ともだけどね。酔っ払うほど飲んで自覚ないの?』
「………」
私から離れたと思えば、先程とは違うしっかりした足で猪野くんの手を引いて歩き出した。
向かった先は浴室。
「ぎゃあああ!Aサン助けてええ!!」
とシャワーの音と共に悲鳴が聞こえた。
『……マジで酔いすぎじゃない?大丈夫?』
「Aサン助けて……」
服のまま2人でシャワーを頭から被って場はカオス。
「酔ってません、臭いと言われたので。」
『あのさ、酔ってない人が後輩引き連れて服のままシャワーするわけないでしょ?』
私ならこんな先輩本当に嫌だな……
猪野くん可哀想。
『猪野くんごめんね、その服洗濯してもいいかな?代わりの服用意するから。』
「え…なんかスミマセン……」
『いやいや、謝るべきは七海だよ。寒いだろうしお湯張ってね。』
ドアを閉めると、またワーワーと騒ぐ声が聞こえた。
もう後は知らない。
クローゼットを漁って、七海の着替えと、猪野くんに貸すための服を用意した。
七海が新品の下着とか置いてるタイプでよかった。
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さしす - とっても面白い!! ナナミンと夢主ちゃんが尊い・・・!! 応援してます! (2022年5月26日 21時) (レス) @page43 id: 9bbdd85770 (このIDを非表示/違反報告)
星空海月(プロフ) - 尊い……ただひたすらに……。ますます沼にハマってしまいました。 (2022年5月21日 23時) (レス) @page43 id: 8e029f144e (このIDを非表示/違反報告)
森 - 控えめに言って尊い…! (2022年2月20日 14時) (レス) id: d826e852a9 (このIDを非表示/違反報告)
たぴ - ひゃーーーー照れてる七海サンとか尊い… (2022年1月21日 23時) (レス) @page43 id: cece85a69e (このIDを非表示/違反報告)
くまこ(プロフ) - chiaki0708さん» 長いのに最後まで読んで頂きありがとうございました✨溺愛具合にニマニマしてもらえて良かったです! (2022年1月20日 12時) (レス) id: 73baee915b (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:くまこ | 作成日時:2021年9月26日 13時