70、風邪と不眠はセット ページ25
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ずぶ濡れの事もあり、そのまま直帰させてもらって、七海は高専へ戻った。
シャワーを浴びて熱めに設定したお湯に浸かった。
風邪引いたらシャレになんないし。
すぐに髪も乾かしたのに。
…寒い、寒すぎる。
《疲れたから寝てる、帰ったら起こして》と七海にメッセージを送信して布団に潜り込んだ。
*
酷い寒気がして目が覚めた。
さっきよりも強い寒気で頭がぼーっとする。
これは完全に風邪を引いた……
枕元に置いてある携帯を手に取って、見ると21時。
ドアの隙間から漏れる光に七海が帰ってきている事がわかった。
『ごめん、寝てた…』
「よく寝てたので起こしませんでした。
顔色が悪いように見えますが体調はどうですか?」
『……風邪引いた、かも?』
そういうと体温計を取ってきてくれて渡された。
計測終了の音と同時に脇から取り出すと
……38.6℃
「どうでしたか?」
『
「貸してください、」
『え、ちょっと!』
体温計を奪われて数値を見られた。
おでこに手が当てられて、いつも温かい七海の手がひんやり冷たく感じた。
「少しどころじゃないでしょう。何か食べれそうなもの買ってきます。」
『大丈夫だよ、思ったより元気だし。』
「すぐ戻るの寝てて下さい。」
『…行かないで、近くにいて欲しいから。』
行こうとする七海の手を握った。
そうすれば家から出ない事は人生経験上わかる。
ソファーに座ると膝掛けとあったかいお茶を持ってきてくれた。
さすがスパダリ……
「家入さんには連絡しておくので明日は休みましょう。」
『自分で連絡できるよ。』
家入さんに電話すると「了解、お大事に」と。
今度お礼しなきゃ。
寒かった体もあったかいお茶のおかげでマシになった。
軽く用意してもらったご飯を食べてベッドに潜った。
*
ベッドに潜って数十分。なかなか寝付けずにいた。
何度もゴロゴロと転がる事しかできない。
体は疲れてるし、熱でしんどいのに。
しばらくして隙間から漏れていた電気もパチンと消えた。そして開くドアから目が合う。
「まだ起きてたんですね。」
『不思議なことに寝れないの。』
引っ越してから2人で寝れるサイズのベッドへと変わった。
ちゃんとゆったり寝れる余裕がある、のに。
『狭い。』
広いベッドの中でぎゅっと抱きしめられる。
狭い、せっかく広々寝てるのに。
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さしす - とっても面白い!! ナナミンと夢主ちゃんが尊い・・・!! 応援してます! (2022年5月26日 21時) (レス) @page43 id: 9bbdd85770 (このIDを非表示/違反報告)
星空海月(プロフ) - 尊い……ただひたすらに……。ますます沼にハマってしまいました。 (2022年5月21日 23時) (レス) @page43 id: 8e029f144e (このIDを非表示/違反報告)
森 - 控えめに言って尊い…! (2022年2月20日 14時) (レス) id: d826e852a9 (このIDを非表示/違反報告)
たぴ - ひゃーーーー照れてる七海サンとか尊い… (2022年1月21日 23時) (レス) @page43 id: cece85a69e (このIDを非表示/違反報告)
くまこ(プロフ) - chiaki0708さん» 長いのに最後まで読んで頂きありがとうございました✨溺愛具合にニマニマしてもらえて良かったです! (2022年1月20日 12時) (レス) id: 73baee915b (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:くまこ | 作成日時:2021年9月26日 13時