警察もとい公安警察です・３【名探偵コナン】

・ ページ11

貴女side





自動二輪技能訓練……って名称長いな。
バイクかっ飛ばした午後は休み。外出も許可された。




とは言っても、出掛ける当ては無いし……
例の女性に存在を確認されている以上、
明るい昼間に１人の外出は危険だと零に言われた。





『……と、いう訳でね！
萩くんと視聴覚室に来ております！』


「誰に言ってるの？」





気にするな、と萩くんに言ってキーボードを叩く。

あの女性に「子猫ちゃん」と言われて、
事件のことをある程度は思い出してきた。

髪の長い女性が銃を持っていた、とか
他にも黒い服の男が２人いた、とか。





『…………あった、』





ジェイムズさんから聞いた事件名は
「駿東一家心中事件」。


その通りに検索すればしっかりヒットした。


不可解な事件、謎が残る事件、などなど。
中には酷い憶測も飛び交っているようだ。





「なるほどねぇ……
火事の原因はストーブ、被害者の胸に弾痕。
だがその拳銃は見つかっていない……

こりゃ他殺の証拠不十分で
心中事件として片された感じか？」


『うん……
全部燃えたせいで侵入経路も消えたから
そうせざるを得なかったんだと思う。』


「火事も計算のうちってワケか……」





画面を覗いていた萩くんがヤレヤレ、と肩を竦め、
するりと私の頭を撫でる。何で？




「Aちゃん、あんまり動じなくなったね。
ついこの間まで「火事」って聞いただけで
顔を真っ青にさせてたのに。」


『ああ……ふふ、』




優しく撫でられて思わず頬が緩む。
最近よく思うんだけど皆撫でるの上手だね。
私のこと犬とか猫みたいに思ってるのかな？(？)




『皆のおかげだよ。
独りにしない、って言ってくれたから怖くないの。』




に、と笑って言えば萩くんは目を瞬かせて私を見る。




「マジか〜……」


『なにゆえ。』




そう言いながら顔を覆ってしまう萩くん。
マジかって何だ失礼な。




「Aちゃんはそのままでいてくれよ？」


『は？』


「ガチトーンは泣く。」





ホントに泣いちゃうぞ！と喚いてうるさい萩くんを
どうやって黙らせようか模索して、
辞書の角をぶつける案が浮かんだ時だった。





「えぇ！？」





焦った声が視聴覚室の外から聞こえてきた。
この声は零かな？


萩くんと顔を見合わせて部屋の外へ出る。
そこには電話をしている零。


この口調だと電話の相手は景っぽいな。

・→←・

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す