許嫁で純愛 第２章【呪術廻戦】

五十本 ページ3

no side





「"古式"という名はそれほど悪くないと思ったが？」




宿儺は嗤う。
Aの表情が嫌そうに歪む。





『貴方、性格悪いね。』


「ｹﾋｯｹﾋﾋｯ……」


『"古式家は落ちこぼれの一族"って言ってたのに
よくそんな事が本人の前で言えたものね。』


「やはり聞いていたか。
……ではAとでも呼んでおくか。」


『……好きにすれば良い。』





そう言いながらAは１歩後ずさる。
宿儺のまとう雰囲気が変わった。





「A、俺はオマエを甚(いた)く気に入った。」


『……』





宿儺が１歩前に出る。
Aは１歩後ずさる。





それを繰り返し、Aは壁際に追い込まれた。





『離れて。ｯ、』


「式神など喚ぶな。面倒だ。」





髪にかけた手を掴まれるA。
あまり下手に動くと虎杖をも傷付ける。
ゆえにAは大人しくするしか無かった。





『……もう充分話したでしょう？』


「気付いているのだろう。」


『何に。』


「"縛り"が対等では無いことに、だ。」


『ｯ…………』





Aは宿儺を睨む。
何が目的だ、と目線で問うた。





「大人しくしていろ。」


『な……ｯ、』





ガッ、と両腕を拘束され上に上げられる。
宿儺は使っていない方の手でAの顔を掴んだ。
そのまま人差し指で目隠しをずらされた。






「ふむ、顔も悪くない。」


『離して……！！』






ふ、と宿儺の顔が近付く。
Aに逃げ場は無い。









.









.









宿儺の唇が、Aの唇と重なった。

五十一本→←四十九本

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す