三十七本 ページ38
no side
「何だ……?貴様の式神か?
……いや違うな。呪力がまるで違う。」
「ッ……」
「答えるまでは殺さないでやる。
答えろ。それは誰の式神だ?」
興味深い、と呟いた宿儺が嗤う。
伏黒は答えていいものかと悩んだ。
【……命令を。伏黒、恵。】
「!」
【主より伏黒恵を守護し、指示を受けろとの命だ。】
「ッ……」
伏黒は歯を食いしばる。
それからキッ、と宿儺を睨む。
「虎杖が戻る前に
虎杖の体はなるべく傷付けないようにしてくれ。」
【……承知。】
ボンッと音がして伏黒の背後の地面が抉れる。
夜叉が宿儺に飛びかかった。
「……!中々いい動きをする式神だな。」
ガキン、ガキンと刀と宿儺の腕が触れ合う。
Aの式神は遠距離過ぎると精度が落ちる。
ゆえに夜叉の強さは一級程度だった。
「だが……俺の質問に答えないのは感心しない。」
【!!】
突き出された宿儺の腕が夜叉の体を貫通する。
だが夜叉は即座に反応して刀を振り上げる。
「!
峰打ち……なるほど、命令は絶対か。」
衝撃で宿儺の腕が痺れた瞬間、
夜叉は後ろに飛び退いて腕から離れる。
【……我が主の名を知りたがっていたな。
主より許可が出た。答えよう。】
「ほう?言ってみろ。」
【古式A。】
伏黒は目の前の戦いに目を見開く。
物凄い速さで攻撃が繰り広げられているから。
2人の会話すら聞き取れない。
伏黒は痛む体を引きずって後ろへ下がる。
「聞かない名だが………"古式"は知っているぞ。
式神の扱いが非常に長けた一族らしいな。
だが……数十年前からそれは過去の栄光になった。
【主は落ちこぼれなどでは無い。】
「のようだな。
そのAとやらに興味が湧いた。」
バシュン、と宿儺の爪が夜叉を切り裂く。
ダメージに耐えきれなくなった夜叉の体は崩れる。
【……不甲斐なし、】
ハラリと髪が地面に落ちる。
宿儺はそれを見て一人納得する。
「Aとやらは髪を媒体にして……
オマエの式神は影を媒体にしているのか。」
宿儺は伏黒を見据える。
伏黒は素直にそれを認めた。
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りんごりんご - え、神ですか?こんなに作品の組み立てが上手なの、なかなか無いですよ!神ですか?いや神ですよね? (2021年1月31日 18時) (レス) id: f29ad8ba49 (このIDを非表示/違反報告)
くらくしょん - すごくお話をかかれるのが上手なんですね!、読んでいてとても楽しかったです、これからも頑張ってください (2020年12月6日 16時) (レス) id: 15035c8d2a (このIDを非表示/違反報告)
百 - 深凪さん» めっさ分かる!唇ちょっとピンクいのがめっちゃ可愛くて、五条先生のカッコいい感じとか余裕がある感じとのギャップヤバくてマジえらい。 (2020年11月30日 19時) (レス) id: 78401eb32b (このIDを非表示/違反報告)
深凪 - アニメ作画良すぎですよね!!私も五条先生の唇ぷるっぷるやんって思ってたので同じこと思ってる人がいて嬉しいです(笑)小説とっても面白いです!更新待ってます!! (2020年11月18日 22時) (レス) id: a6413cd937 (このIDを非表示/違反報告)
真白 - 凄い面白いです!無理のない範囲で更新頑張って下さい! (2020年11月18日 16時) (レス) id: 32b6d86f2d (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:沙羅 | 作成日時:2020年10月25日 22時