三十六本 ページ37
no side
「虎杖は戻ってくる。
その結果、自分が死んでもな。そういう奴だ。」
「買い被り過ぎだな。
コイツは他の人間より多少頑丈で
先刻もな、今際の際で脅えに脅え
ゴチャゴチャと御託を並べていたぞ。
断言する。奴に自死する度胸はない。」
伏黒は息を吐いて頭を回す。
宿儺が反転術式を使えること。
虎杖が戻る前に心臓を治させること。
心臓を欠いた体では勝てないと思わせること。
「(できるか?特級の前ですら動けなかった俺に。
──────できるかじゃねぇ。やるんだよ!!)」
伏黒は「鵺」を喚び出す。
「折角外に出たんだ。広く使おう。」
動き出した鵺と同時に伏黒も走り出す。
まず伏黒が攻撃をするがそれは宿儺にいなされる。
「もっと呪いを篭めろ。
…………その
「!」
顔を殴られた伏黒は体勢を崩しながらも
「大蛇」を喚び出し宿儺を噛ませる。
空へと持ち上がった宿儺に
鵺が電気をまといながら攻撃をしていく。
「畳み掛けろ!!」
バチン、と音がして大蛇が粉々になる。
「言ったろう。広く使おう。」
次の瞬間には宿儺は伏黒の背後にいた。
そのまま背中を掴んで空へと放り投げる。
「〜っ!!
(呪術うんぬんじゃない!!
ボグ、と痛々しい音がして
伏黒を庇う鵺の羽根が殴られる。
「(格が違う!!)」
「いい術式だ。」
伏黒の体が吹き飛ばされる瞬間、
ポケットに入っていたあの包みが熱を発する。
「ッ!!(熱っ……!!)」
何とかポケットに手を入れて包みを出す伏黒。
開きかけていた蓋が完全に開き、
中から白い糸のような髪がこぼれ落ちる。
風によってその髪が浮かび上がる。
ふわり、と不思議な動きをした髪が膨らむ。
伏黒が瞬きをする間に髪は変化し
もう一度瞬きをすると伏黒の体はそれに抱えられた。
「ッ……!?夜叉……か!?」
人型に変化したのは「夜叉」だった。
刀を片手に伏黒を抱えて地面に降り立つ。
「(俺は式神を一通り使っちまった……
玉犬と大蛇は破壊されてる。呪力もギリギリ……
A先生の式神を頼るしかないのか……)」
そう考える伏黒の前に宿儺が着地した。
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りんごりんご - え、神ですか?こんなに作品の組み立てが上手なの、なかなか無いですよ!神ですか?いや神ですよね? (2021年1月31日 18時) (レス) id: f29ad8ba49 (このIDを非表示/違反報告)
くらくしょん - すごくお話をかかれるのが上手なんですね!、読んでいてとても楽しかったです、これからも頑張ってください (2020年12月6日 16時) (レス) id: 15035c8d2a (このIDを非表示/違反報告)
百 - 深凪さん» めっさ分かる!唇ちょっとピンクいのがめっちゃ可愛くて、五条先生のカッコいい感じとか余裕がある感じとのギャップヤバくてマジえらい。 (2020年11月30日 19時) (レス) id: 78401eb32b (このIDを非表示/違反報告)
深凪 - アニメ作画良すぎですよね!!私も五条先生の唇ぷるっぷるやんって思ってたので同じこと思ってる人がいて嬉しいです(笑)小説とっても面白いです!更新待ってます!! (2020年11月18日 22時) (レス) id: a6413cd937 (このIDを非表示/違反報告)
真白 - 凄い面白いです!無理のない範囲で更新頑張って下さい! (2020年11月18日 16時) (レス) id: 32b6d86f2d (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:沙羅 | 作成日時:2020年10月25日 22時