二十三本 ページ24
no side
「A、
『……ケホッ……』
Aは夏油に支えられながら頷く。
体力を消耗し、動くのは厳しかった。
【おのれ……おのれぇぇえええ!!!】
「もう黙れよ。
どんだけAを傷付ければ済むんだよお前。
全部自分の判断だろ。
古式家の当主として決めたことだろ。
今更どうこう言ったって変わらねぇんだよ。」
五条は勢いよく呪骸へ拳を振る。
拳が当たった所から呪骸の体は崩れていった。
『………………』
Aの瞳から一筋の涙が流れ落ちる。
それからそっと喉を撫でて目を伏せる。
「A……?どうかしたのか?」
『…………い、る…………』
「え?」
『さ、き……の、の、こり、』
Aの言葉に夏油は目を見開く。
そう、先程のモヤはAの生命を絡めていた。
全て抜き取られていたらAは死んでいた。
本能で危険を察知したAは
ナイフで呪いごと切り取って飲み込んだが
その僅かに飲み込んだ呪いは消えていなかった。
「それ、は……大丈夫なのか?」
Aは分からない、というように首を振る。
そこで五条がAの所へ戻ってきた。
「…………祓いきれなかった。」
『…………』
「いんだろ?そこに。」
『…………う、ん。』
「…………ごめん。」
Aはブンブンと首を横に振る。
一度生命が体から離れたせいなのか、
Aの髪の毛が微かに白くなっていた。
『……あ、り、が、と……う。』
「……」
五条は黙ってAを抱き締める。
夏油も空気を読んで少し離れた。
「…………てか何で服破いたの。」
『!』
「そんな格好で傑の所にいたの?」
『!!』
「危機感の欠如。」
『!?』
突然怒られてAは目を白黒させる。
五条の上着を無理やり着せられた。
「……その呪いの量なら害は無い、と思う。
でも違和感とか感じたらすぐ言えよ。」
『う、ん……!!』
頭を撫でる心配そうな五条の顔がぼやけて
Aの意識が遠くへと引っ張られた。
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りんごりんご - え、神ですか?こんなに作品の組み立てが上手なの、なかなか無いですよ!神ですか?いや神ですよね? (2021年1月31日 18時) (レス) id: f29ad8ba49 (このIDを非表示/違反報告)
くらくしょん - すごくお話をかかれるのが上手なんですね!、読んでいてとても楽しかったです、これからも頑張ってください (2020年12月6日 16時) (レス) id: 15035c8d2a (このIDを非表示/違反報告)
百 - 深凪さん» めっさ分かる!唇ちょっとピンクいのがめっちゃ可愛くて、五条先生のカッコいい感じとか余裕がある感じとのギャップヤバくてマジえらい。 (2020年11月30日 19時) (レス) id: 78401eb32b (このIDを非表示/違反報告)
深凪 - アニメ作画良すぎですよね!!私も五条先生の唇ぷるっぷるやんって思ってたので同じこと思ってる人がいて嬉しいです(笑)小説とっても面白いです!更新待ってます!! (2020年11月18日 22時) (レス) id: a6413cd937 (このIDを非表示/違反報告)
真白 - 凄い面白いです!無理のない範囲で更新頑張って下さい! (2020年11月18日 16時) (レス) id: 32b6d86f2d (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:沙羅 | 作成日時:2020年10月25日 22時