10 ページ12
no side
「もう一本！！」
木兎の元気な声が体育館に響く。
月島のブロックに対し
先程から何本もスパイクを打ち込む木兎。
「しゃあ！！」
「１枚ブロックに勝っただけっすよ。」
「うっせえな！」
Aは動かなくなったリエーフの横で
そんな様子を眺めていた。
「じゃあ、２枚でどうだ？」
「２枚上等！！」
黒尾の参戦に月島は背後のリエーフを見る。
「(死んだ？)」
『頑張れ〜』
Aは笑顔で月島に手を振る。
月島は何とも言えない顔をして頷いた。
「行くぜ！！」
黒尾は月島にそっと指示を出す。
「メガネ君はストレートをきっちり締めとけよ。」
Aは興味深そうに様子を眺める。
『テツのブロック嫌なんだよねぇ……』
空いたスペースを見る木兎の視線。
黒尾は待ってましたとばかりに手を動かす。
ボールは黒尾の手によって弾かれた。
「ウェーイ！」
「くっそぉ！」
「A！」
『えー……』
黒尾に手招きされたAは
渋々といった様子で月島の横に並ぶ。
『ネット高いんすけど……』
「いけるいける。」
「いきますよ木兎さん。」
「おう！！」
『木兎さん、"勝負"ですよ？』
「！！」
Aはギュ、と音を立てて床を踏みしめる。
そして木兎が、黒尾達が跳ぶよりも速く飛び上がる。
「お……！？」
「え……」
そして木兎が踏み切り、黒尾達も跳ぶ。
この間、コンマ数秒の出来事だろう。
Aの跳躍力は異次元だ。
男子用のネットでも関係ない。
だが最高到達点に達するまでに時間がかかる。
それを補うべく誰よりも速く跳んだのだ。
黒尾達が最高到達点に達したとき、
初めてAのブロックは黒尾達と揃う。
『むんっ！！』
ストレートを狙った木兎のスパイクを
Aはピンと伸ばした腕で弾き落とす。
「ぬぉぉ！！止められたァァ！！」
『いぇーい！』
この細腕でとんでもない馬鹿力だ。
月島も思わず目を見開いた。
「うぅん……やっぱメガネ君さぁ……
読みは良いんだけど、こう……
弱々しいんだよな！ブロックが！」
「！」
「腕とかポッキリ折れそうで心配になる。
ガッ！と止めないと！ガッ！！と！」
Aは私のは良いのかと言いたげな顔をしていたが
そっと黒尾に口を塞がれ黙った。←
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 518人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「ハイキュー」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
沙羅(プロフ) - ★さん» コメント、ご意見ありがとうございます。典型的な悪女を出して対立させたかったので登場させました。そう思われないよう、今後は気を付けて書いていきたいと思います。参考になるご意見をありがとうございました。 (2021年7月7日 1時) (
レス) id: 1f154ecd75 (このIDを非表示/違反報告)
★ - 姫野？ってキャラいる？いなくても話成り立つしむしろいることによって今までの面白さが無くなって残念です。 (2021年7月6日 22時) (レス) id: 0324f0d530 (このIDを非表示/違反報告)
沙羅(プロフ) - ひにゃ。さん» コメントありがとうございます！皆様の応援のおかげで書いてくることが出来ました…！！本当にありがとうございます！入試、頑張ってきます！！ (2020年9月3日 7時) (レス) id: 1f154ecd75 (このIDを非表示/違反報告)
ひにゃ。(プロフ) - 続編おめでとうございます…！受験生にもかかわらず、更新して下さった主様は神です…！入試頑張ってください…！東京から応援しています…！主様が志望校に受かりますように…！ (2020年9月2日 22時) (レス) id: b37bb85b42 (このIDを非表示/違反報告)
善(プロフ) - 何となく方言わかった。だらー。 (2020年8月31日 23時) (レス) id: e2382ac4cf (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：沙羅
| 作成日時：2020年8月10日 21時
