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no side
「まさか男子校であるナイトレイブンカレッジから
女性を迎えに行く馬車が現れるとは……」
『もしかして追い返されちゃいます？』
「いえまさか！貴方の魔力は一目瞭然！
野放しにしておく方が危険ですからね。
そうですねぇ……
闇の鏡がディアソムニア寮の名を出した訳ですし……
部屋割り等をよく考えた上で決定しても？」
クロウリーはAの顔を覗き込む。
Aは別に構わない、と頷いた。
「その決定、ちょっと待ってくれぬか？」
「！
おや、ヴァンルージュ君。どうかしましたか？」
人ごみを掻き分けて現れたのは
黒とピンクの髪色を持つリリア・ヴァンルージュ。
『あ〜！リリア様だ！』
ﾘﾘｱ「ふふ、久しいのうA。何十年ぶりじゃ？」
『あはは。何年ぶり、の間違いでは？』
ﾘﾘｱ「おっと、ではそういう事にしておこうかの。」
リリアはAの頬を撫でながら笑う。
それからクロウリーに向き直ると説明を始める。
ﾘﾘｱ「我らの国とAの国は同盟国でな。
どちらも等しい立場で平等でなければならぬ。」
「なるほど……？」
ﾘﾘｱ「学校の事とはいえ、"寮長に従う"などという
上下関係を生んではらなんのじゃ。」
『あー……そんなのもあった様な……』
ﾘﾘｱ「つまり、ディアソムニア寮に
Aを入寮させるというのは難しい。」
「……国の事に首を突っ込むのは面倒、あいえ、
では、A君をどうしましょうかねえ……」
ﾘﾘｱ「どうせなら寮を作れば良いのではないか？」
「えぇ！？」
ﾘﾘｱ「Aの魔法があれば
建築物を造るなど造作もなかろう？」
『ちょっとした物なら出来ますねぇ。』
クスクスと笑うAに
クロウリーはううん、と唸って考える。
「……ほんの少し日当たりは悪いですが、
特に使う予定の無い土地が空いています。
そこで大丈夫ですかね？」
『家が建ちそうなスペースがあれば十分ですよ〜』
「では、そこを貸して差し上げます！
私、優しいので！
それと、当然ですが寮長に就任して貰いますよ！」
『え〜……やだぁ……』
ﾘﾘｱ「１年生で寮長とは凄いではないか。
頑張るのじゃぞ、A。」
『うぅ……リリア様が言うなら……
ちょっとだけ、頑張ります……』
ﾘﾘｱ「うむ！その意気じゃ！」
楽しそうに笑うリリアにつられてAも苦笑した。
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作者名：沙羅
| 作成日時：2020年7月20日 8時
