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貴女side





「こちらの棺桶に入って頂きます。」


『斬新な通学方法。』





いつものドレスは脱ぎ捨てて着替え、

お母様と弟に挨拶を済ませ外に出ると

王の間に居た御者さんが迎えてくれる。





ナイトレイブンカレッジといえば有名な学校。

闇の鏡とか何とかに認められた人が入学できる

エリート的な男子校らしい。





…………男子校らしい。(2回目)





「準備はよろしいでしょうか?」


『……ええ。』





チラリと背後に視線を送れば

お母様と弟、側近の人達が見送りに来てくれた。

……お父様は私には無関心だから来ない。





『……では、行って参ります。』


「気を付けてね。辛ければ帰ってらっしゃい。」


「僕、お姉様の分も頑張ります。」






ぺこりと頭を下げて棺桶に足を入れる。

……うへぇ……氏んだみたい。←





横たわれば御者さんが蓋を閉めてくれる。

光が一切遮断されて暗闇に変わる棺桶の中。





あの息苦しいお父様の支配下から抜けられるなら

男子校でも構わない。





ふふ、と零れる笑みを抑えながら目を閉じて

揺れに身を委ねた。








.









.









.









「──────い。────さ──……!」


『んぅ……』






誰かの大きな声と

馬車とは違う揺れ方に目を開く。





「ああ、やっと起きましたね。
さあ早く立って!貴方が最後の入学生ですよ。」


『誰……?』


「ナイトレイブンカレッジ学園長、
ディア・クロウリーです!名乗りましたよ私!」





……変なマスク、って言葉は飲み込もう。





「聞こえてますよ!」


『あれ、』





プンスコ怒る学園長とやらに背中を押され

何か凄い鏡の前に立たされる。(語彙力)





「……汝の名を告げよ。」





ちらっと隣の学園長を見れば頷く。

名前を言えってことか。





『A・メイフィスです〜』


「A・メイフィス……
汝の魂のかたちは…………」





ぼわん、と浮かんでいた顔がじっと私を見る。





「…………ディアソムニア寮に近く遠い。」



『…………は?』←



「魔力が強く、強大。
しかし…………汝は女………………」



「お、女!?アナタ、女性なのですか!?」





学園長が私の肩を掴んで揺らす。

ぐわんぐわんしてる。





『女でも連れて来たの馬車だも〜ん。
学園長立ち会いで寮決めするって言ってたよぉ?』





ニッコリ笑って学園長を見れば

少し焦ったように私の肩を離してくれた。

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作者名:沙羅 | 作成日時:2020年7月20日 8時

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