幼馴染は実力派【ハイキュー!!】【音駒】

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貴女side




「正直に言ってドリンクなんぞどうでもいい。

だがアイツらも飲みやすそうにしていた。
今回はお前の働きに免じて注文してやる。」




『ありがとうございます！！

あ、でもすぐに注文じゃなくても祖父か叔父に
連絡して頂ければ……』



「水瀬の野郎には頼まん。絶対に。」



『えっ、』






待ってよ、何があったんだよおじいちゃんと。






「水瀬の孫ってことで舐めていたが
お前の目と、腕は確かなようだ。」





監督の手にはさっきまで私が持っていたノート。

一瞬だけ置いた隙に取ったのか。





「"お前に"注文する。」


『あ、ありがとうございます！』





何だかよく分かんないけど……

おじいちゃんとは仲が悪いのかな！！！





注文表を取り出して書き込んで貰う。

初回割引が有効ってことも伝えておく。





「あの野郎は孫を使ってまで商売か……」


『その辺は祖父が本当にすみません。
あの……鷲匠監督は祖父と知り合いなんですか？』





恐る恐る尋ねてみる。

気になってたし。





「…………お前の祖父はセンスの塊だった。」


『！？』





おじいちゃんが！？そうなの！？初耳！！





「同じ学校でもないし、学年も違う。
バレー部でもないくせにバレーをしていた俺に
ちょっかいばかりかけてくる。
そんで俺はアイツに勝ったことがない。」



『え……』



「サーブは拾われるし、スパイクは止められる。
ヘラヘラ笑いながら俺を追い込んだ。」






それは本当に…………すみません…………






「でも、後から気付いた。
アイツは俺の苦手な事ばかり仕掛けてきていた。」


『！』





つまり……苦手克服の手伝い、とか？





「傍から見たら意地悪なんだろうが……
俺は確実にその苦手を克服していた。

アイツのお陰、だなんて思いたくなかった。
知らぬ間に手助けされていたのが気に食わない。」



『な……なるほど…………』






……おじいちゃんは何者なんだろうか。

確かに運動神経いいし、バレーも出来る。

なんならシニアのバレーで活躍してる。





うちの家系はバレー馬鹿ばっかなのかしら。←





「いつの間にか姿を消したと思えば
今度はスポーツ用品店を開業し商談に来た。

あっという間に成功し
今じゃ「水瀬スポーツ」は有名だ。
恵まれすぎてるんだよ、アイツは。」






そう言って笑った鷲匠監督は

あまり祖父を嫌っている様には見えなかった。

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