検索窓
今日:2 hit、昨日:11 hit、合計:443,109 hit

. ページ36

貴女side




お手伝いさんの菫さんの声がした。

体を揺らされて目を開ける。




『すみれさ……』

「お嬢様!!ご無事で良かった……!!
嗚呼、どうしましょう、旦那様と奥様が……」




明るくなった部屋に菫さんの泣き声が響く。




父上と母上は死んだ。

何かに殺されたんだ。




『父上……母上……』





部屋にはまだ塊が残っていた。





父上の仕事場で何度も見た血の海。

それの中に父上と母上がいる。





『ウ"ェッ…………』

「お嬢様!」





明るい部屋のせいで

それがよく見えるようになり吐き気に口を抑える。






私の両親は"あんさつしゃ"だと聞いた。

お願いされたらどんな人でも殺してしまうらしい。





だから、私も色々な訓練を受けた。





武器の使い方。



急所の位置。



気配の消し方。



気付かれない歩き方。





人の殺し方を教わったのだ。





父上はとても怖い。

いつもは優しいのに、訓練の時間になると怖い。


母上は優しい。

父上に怒られる私を撫でてくれる。

でも、訓練を止めてはくれない。





だから、私は、両親がきらいだった。

でも、両親は両親だった。

大事な、大事な家族だった。




『……蛍は?菫さん、蛍は怪我してない?』





蛍は私の妹。

まだ三歳。





「蛍お嬢様は無事に乳母の部屋で寝ていますよ」

『そっか……』




良かった、まだ家族は残ってた。




「連絡はしたので直に伯母様方もいらっしゃいます」

『伯母様……』




伯母様も"あんさつしゃ"らしい。

あまり上手じゃないけど、経歴は長いと聞いた。





「……お嬢様、」

『うん……私お部屋に戻る。
ちゃんと着替えるわ。伯母様が来たら教えて下さい』

「かしこまりました」




身体の中がグルグルして気持ち悪い。

私はどうなるんだろう。




部屋の扉を開けて

敷きっぱなしの布団に飛び込んだ。

.→←.



目次へ作品を作る感想を書く
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 9.9/10 (206 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
650人がお気に入り
設定タグ:鬼滅の刃 , 宇髄天元 , 愛され
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)

ニックネーム: 感想:  ログイン

沙羅(プロフ) - アリスさん» コメントありがとうございます!!宇髄さんカッコイイですよね……!!もっとカッコイイ宇髄さんを書けるよう頑張りますので、ぜひ続編の方もよろしくお願いしますー!! (2020年1月30日 21時) (レス) id: 1f154ecd75 (このIDを非表示/違反報告)
アリス - コメント失礼します!宇髄さんは私の推しなので、すんごいかっこいいなあ…。とか思いながら見てます!頑張ってください! (2020年1月30日 21時) (レス) id: 4db94b3ad0 (このIDを非表示/違反報告)
沙羅(プロフ) - めぐちゃんさん» コメントありがとうございますっれ分かります…宇髄さんカッコイイですよね!もっと夢主を素敵な女性に書けるよう、頑張りますね! (2020年1月11日 14時) (レス) id: 1f154ecd75 (このIDを非表示/違反報告)
めぐちゃん - コメント失礼します!!宇髄さんはカッコいいし夢主ちゃんもかわカッコよくて面白いです。頑張って下さい! (2020年1月11日 0時) (レス) id: 0087c5132c (このIDを非表示/違反報告)

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名:沙羅 | 作成日時:2019年12月29日 21時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。