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no side
ボトリ、と重たい音がして頸が転がる。
『………』
溢れる涙を拭いながらAは頸を見る。
化け物の目玉がギョロリ動いた。
『!?何で……、まだ、生きてる……!?』
慌ててその頸からも距離をとる。
そこでAはハッとしたように身体の方を見た。
『(爪は伸びるのに時間がかかる……
なら、手を木に縛って攻撃手段を削る……?)』
思い立ったAは素早かった。
髪を結っていた紐をほどき隙を伺う。
「ギャァッ……」
左右に動きながら化け物を撹乱し
攻撃を混じえながら木の幹まで追い詰める。
『ッよし、』
Aは木登りが得意だった。
昔、使用人の菫に教えて貰ったのだ。
木の枝を掴んで身体を回転させ
化け物の腕を木の裏側で縛りつけた。
「ギャアアッ!!」
伸びてくる爪を斬り続け
時折、筋肉を少しだけ削ぎながら
紐を引きちぎれないように調節する。
.
それから数刻たって、東の空が白み始めた。
木の葉の隙間から朝陽が漏れる。
その朝陽が化け物の頭にあたる。
「ギャアアアッ!!!ギャ、ア、アァァ……──────」
気が狂ったように叫ぶ化け物は
朝陽が昇るにつれて静かになった。
サァ……と灰のように霧散していく化け物。
Aは今度こそ肩の力を抜いた。
『消え、た……あの化け物は、朝陽が嫌い……?』
カクン、と力が抜け座り込むと
化け物を縛り付けていた木に寄りかかり目を閉じた。
『つか、れた……』
まだ朝靄が立ち込めるなか
Aはほんの僅かな休息をとった。
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沙羅(プロフ) - アリスさん» コメントありがとうございます!!宇髄さんカッコイイですよね……!!もっとカッコイイ宇髄さんを書けるよう頑張りますので、ぜひ続編の方もよろしくお願いしますー!! (2020年1月30日 21時) (レス) id: 1f154ecd75 (このIDを非表示/違反報告)
アリス - コメント失礼します!宇髄さんは私の推しなので、すんごいかっこいいなあ…。とか思いながら見てます!頑張ってください! (2020年1月30日 21時) (レス) id: 4db94b3ad0 (このIDを非表示/違反報告)
沙羅(プロフ) - めぐちゃんさん» コメントありがとうございますっれ分かります…宇髄さんカッコイイですよね!もっと夢主を素敵な女性に書けるよう、頑張りますね! (2020年1月11日 14時) (レス) id: 1f154ecd75 (このIDを非表示/違反報告)
めぐちゃん - コメント失礼します!!宇髄さんはカッコいいし夢主ちゃんもかわカッコよくて面白いです。頑張って下さい! (2020年1月11日 0時) (レス) id: 0087c5132c (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:沙羅 | 作成日時:2019年12月29日 21時