No.１５５ ページ23
no side
「終わったよ」
『ありがとござます……』←
Aは治療台の上で
リカバリーガールに礼を言う。
『これで……消太にバレないぜ……』←
「誰に何がバレないって？」
『ふぁっ』←
入って来たのは相澤。
Aは思い切り肩を跳ねさす。
「何だって？」
『いえ。これで消太にケーキたかれるな、と』←
「あー……そういうことな。
──────って言う訳ないだろ」
『すんません』←
Aは真顔で謝る。
「セメントスから聞いた」
『知ってんじゃん』←
「俺一応教師な？」
『大変申し訳ございませんでした』←
相変わらず真顔で謝った。
『でも……ケーキ、買ってくれる？』
小さく首を傾げるAに
相澤は息をのみ、思わず目を逸らす。
「ｯ……買ってやるから休んどけよ」
『うん……！』
目をキラキラと輝かせて頷くA。
少し冷や汗をかいた相澤を見て
リカバリーガールが意味ありげに微笑んだ。
「……じゃあ、俺は失礼します」
『今日、一緒に帰ろ……！』
「……あのな、事情を知ってる人以外の前で
そういうこと言うなよ？」
『うん』
「本来なら許されがたい事だからね」
『分かった』
「……終わったら教室まで迎えに行くよ」
『うん…！』
嬉しそうに頷くAを見た相澤は
苦笑して出張保健所から出て行った。
「Aは本当にイレイザーヘッドが好きさね」
『大事な人だから』
「……Aはイレイザーヘッドと
どんな関係になりたいんだい？」
真剣な顔で尋ねるリカバリーガール。
Aは少し考えてから答えた。
『最初は……こんなお父さんが良い思ってた。
でも……今は、なんか違う。
お父さんになったら嬉しいけど……
もっと、ずっと一緒に居れる人がいい』
Aは少し苦しそうな顔をして答えた。
『……リカバリーガール、』
「ん？」
『最近、胸がキュって苦しくなるの。
……病気なのかな』
「それはいけないね。
どんな時に苦しくなるんだい」
リカバリーガールはAに向き直る。
『……んと、消太と、さよならした後』
「！」
『あとは……その後に消太の写真を見た時』
「そうかい……そりゃあ重症だねえ」
『や、やっぱり病気……？
でも、そんな病気なんて知らない……』
Aは少し泣きそうな顔で話す。
「大丈夫さね。いまに治るよ。
……ある事をしたらね」
『ある事……？』
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 1112人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「ヒロアカ」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
ruroru - 始まりがすでにおもろい好きです←唐突な告白 (2020年11月24日 17時) (
レス) id: c6275a7ae2 (このIDを非表示/違反報告)
エリィ - きぇぇ可愛っきえええぇ (2020年1月5日 10時) (レス) id: 09090d6677 (このIDを非表示/違反報告)
沙羅(プロフ) - 十華さん» コメントありがとうございます！相澤先生推し仲間がいて嬉しみの極みでございます…！精一杯、書かせて頂きますので、どうぞ今後ともよろしくお願いします！！ (2019年12月6日 7時) (レス) id: 1f154ecd75 (このIDを非表示/違反報告)
十華 - 初コメです。１時間足らずで読み終わりました………！すごく面白かったです。相澤先生推しなので最高です。お忙しいと思いますが更新頑張ってください！！ (2019年12月4日 2時) (レス) id: ce818eaa7d (このIDを非表示/違反報告)
沙羅(プロフ) - Aさん» コメントありがとうございます！本当ですか……！？嬉しいです！！頑張りますね！！続編出る予定なので是非！そちらの方もよろしくお願いします！！ (2019年12月2日 17時) (レス) id: 1f154ecd75 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：沙羅
| 作成日時：2019年8月27日 18時
