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駄菓子が三十三こ ページ36

貴女side


────翌朝


貴女『有難う御座いました!』


朝御飯までご馳走になりまして……

乱歩さんに予想外の量を食べさせられました←


そんなに食べれない、と断ったら

怒られましたよ


福沢「何時でも遊びに来るといい」


乱歩「家まで帰れるー?」


貴女『大丈夫です、お世話になりました 』


お礼を云って自宅に帰る


今は七時半。まだ間に合う


手に鎧戸の鍵を握りしめて歩く


触り覚えのある塀を伝いに路地へ入る


鎧戸に鍵を差し込み持ち上げる

ガラガラとさびた音をたてて戸が開く



貴女『よし、今日も頑張ろう』


座敷から部屋に入る

だって玄関から行くのは面倒ですもの←


(ふすま)を開けて居間へ


貴女『あら…お洗濯物を畳んでいないわ』

卓袱台に乗った洗濯物をテキパキと畳む


押し入れへ丁寧にしまうと

壁掛け時計が八時の鐘を打つ


貴女『さて…と』


座敷に戻り何時もの座布団に座る



今日はどんなお客様様が

いらっしゃるのでしょうか









午前中は人ひとり来ない

まぁ平日ですからね



外から正午の音楽が流れる


貴女『…昼食は要らないかな』


ポソリと呟いて

先程淹れたお茶を飲む



貴女『…与謝野さんに怒られるでしょうか』


背筋に悪寒が……気のせいですよね





時は過ぎ午後三時の鐘を打つ時計

そろそろ子供たちが帰ってくる時間


貴女『今日は来てくれるかなぁ…』


見える筈も無い外に視線を投げかける


嗚呼……皆様のお顔を拝見したい……


見えるように……なりたい……


午後の微睡(まどろ)みの中考える









今日は誰一人お店に来なかった

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作者名:沙羅 | 作成日時:2017年3月19日 16時

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