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駄菓子が十七こ ページ19

立原side


任務の帰りに土砂降りになっちまった……


近くにあった駄菓子屋の軒下に入っていると


戸が開いていたせいか客と勘違いされた


貴女『あら、いらっしゃいませ』


目を閉じたまま挨拶をされた

貴女『タオル使いますか?』


差し出されたのは三枚のタオル


ふかふかだった

立原「あ、どうも」

広津「これは、申し訳ない」

銀 「……すみません」


おわ、銀が礼を言った←


ふと座敷に目を移すと見慣れた外套


立原「おいジィさん!コレ…」

広津「これは…中原君の外套だね」



立原「…もしかして駄菓子屋って此処のことかよ」

広津「そのようだね」

銀 「……(コクン」


そんな事を話してると急に銀が


店主の顔を両手で挟んだんだ


貴女『ほぇ!?』

すげぇ悲鳴だな、おい


銀 「……この人…目、見えてない…」


あぁ?何で、んな事気付いたんだよ

貴女『あっ…よくお気づきに…』



んで、自己紹介みたいな事をしてると


この神楽木さんが傘を取って、と言うもんだから

取ってやると


値札を思いっきり引き剥がし始めた



貴女『遠慮なさらず』

そう言って無理矢理に押し付けてきた


まぁ報告で急いでいたのは本当だけどよぉ……


貴女『風邪を引いたら大変ですよ』


その笑顔は反則だ←


横を見れば銀ですら少し微笑んでやがる

反対を見たらジィさんも

なんか知らんけど我が子を見るような?←


何なんだ此処の店主は、

人を惹きつける異能でも持ってんのか!?


取敢ず礼を言い傘をさして店を出た


店主は見送りに手を振っていた


目が見えなくても、多分

心の目は見えてんだろうなぁ


とか恥ずかしい事を考えながら

帰路についた

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作者名:沙羅 | 作成日時:2017年3月19日 16時

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