駄菓子が十二こ ページ14
貴女side
ジュースを受け取るのを
拒んでいる敦さんを説得し
半ば無理矢理、持たせて見送った
貴女『今日はお終いね』
そう云って鎧戸に手をかけると
「おい」
低い声が後からしました
貴女『…はい?』
なるべく笑顔を保って振り返ると
「金出しな」
なんかトンデモナイ事おっしゃいましたね
貴女『えっと…お金は無いんですけど』
「嘘つくなよ、駄菓子屋だろ?少し位あんだろ」
貴女『…ですから、ありません』
「なら店に入れろよ」
そう言って鎧戸を閉めている私の手を
払ってきました
貴女『あっ…!』
扉を開ける音がしたかと思うと
突き飛ばされて通路の塀に頭をぶつけた
貴女『痛っ……』
「本当に金ねぇなぁ……」
「なら駄菓子奪ってこーぜ(笑)」
「ヒャハハ!そりゃ名案だな!」
貴女『やめて下さい!お願いです!』
慌てて店内に入ると
五月蝿い!
という怒声と共に拳が降ってきた
右頬を殴られて少し血の味がした
その時と同時だった
私の中で何かが切れたのは
懐の中に何時もある
ふじ色の巾着を出し
その中からパチンコ玉を取り出す
貴女『テメェら…調子乗ってんじゃねェぞ?』
何時もより数倍低い声で囁く
私は目が見えない分、気配や音に敏感だ
人の居場所くらいすぐに分かる
「なっ…なんだよ!」
しなりをつけた鞭のように腕を振りあげ
勢いを増したパチンコ玉を
勿論、眉間を狙って
貴女『駄菓子屋には手を出させない』
あと、二人
「うわぁっ……!!!」
逃げようとする男を掴む
貴女『誰が…逃がすと云った?』
でも男と女の力の差は浮き彫りになった
まぁ私が御飯を食べてないのも原因だけど←
力がフッと抜けてしまった
「こんな店もう来ねぇよ!」
お金の落ちる音、お菓子の落ちる音がした
貴女『もう…来なくて善い…ですよ』
店の外へ追い出すと同時に
脚の力が抜けて崩れ落ちてしまった
貴女『ちょっと…やり過ぎました…』
言葉遣いも…失礼で…嗚呼……
そして意識はブラックアウトした
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作者名:沙羅 | 作成日時:2017年3月19日 16時