双子じゃなくて兄弟【文豪ストレイドッグス】

２５話 ページ27

no side



谷崎「拳銃なンて向けてすみませンでした！」

貴方『え？嗚呼、善いよ善いよ！
悪意ないのは判ってたし、気にしてないから！』




ガバッと頭を下げる谷崎。

Aは笑顔で頭を上げるよう促す。




独歩「しかし……本当に太宰にそっくりだな……」

貴方『うふふ、嬉しいこと云ってくれますねぇ』




手を頬に当ててAは嬉しそうに云う。




太宰「兄さんが歳上以外に敬語なんて珍しいね」

貴方『だって彼、上司でしょう？』

独歩「太宰も見習え」

太宰「私達は同い歳じゃない国木田君」

独歩「そう云う問題じゃない！」




ぎゃいぎゃいと云い争いをする二人。




貴方『ふふ、治も変わらないねぇ』

中島「太宰さんって昔からこんな感じなんですか？」

貴方『そうなのだよ。
同い歳の子をずーっと揶揄っていたよ』

中島「へえぇ……」




微笑ましそうに見るAに

敦は「善いお兄さんなんだな」と実感した。




中島「あ！そう云えば……
Aさんは以前、どんなお仕事を？」

貴方『えー……っと、
昔は荷運びの仕事とか……掃除とか……』


谷崎「掃除？」

貴方『子どもでも出来るアルバイト程度だけどね』




庭掃除とか、とAは笑う。




貴方『でも１４歳前後くらいからは
前職に繋がる仕事をしてたかなぁ……』

中島「そうなんですか？」

貴方『うん。前職は結構長く就いてたし』

中島「へぇ…！」

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