双子じゃなくて兄弟【文豪ストレイドッグス】

１５話 ページ17

貴方side



貴.太『「いただきます」』




二人で手を合わせ声を揃える。

治はすぐさま箸を取って蟹を摘む。




太宰「ん〜！美味しいよ兄さん！」

貴方『うふふ、それは良かった』

太宰「野菜スープも何か！野菜っぽくない！」

貴方『よく噛んで食べるんだよ？』




もぐもぐと頬張る治が可愛くて

治の幼い頃を思い出す。


あの頃も買ってあげた菓子を頬張って

美味しい美味しいとニコニコしていた。




太宰「兄さんには色々聞きたいことがあるけど…」

貴方『だろうねぇ』




そう答えながら私も箸を伸ばす。




太宰「……ま、食べてからでいっか」

貴方『それが善い』



ふふ、と笑って咀嚼する。



太宰「また兄さんの料理が食べれるなんて……
私、生きてて善かったよ！」

貴方『治がそんな事を云うなんて……』

太宰「私の場合は未遂だから！」

貴方『成功しないが成功している、と』

太宰「そう！」



治は器用にも話しながらも食事を続ける。

しかも口の中に食べ物がなくなった瞬間に。




……ちゃんと噛んでるかい？？


.







太宰「ふぅ……美味しかったよ！ご馳走様！」

貴方『お粗末さまでした』




空いた食器を重ね流しに運ぶ。




私が洗い物をする間、

治はじっと此方を見ていた。




何から話そうか、そんな事を考えている顔。



太宰「兄さん」

貴方『ん？』



最後の皿を洗い終わったところで

治に声を掛けられる。





私は手を拭いて振り返った。





治は真剣な顔で口を開く。











.









.









太宰「……織田作が死んでから、何してた？」

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