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13話 ページ15

no side



貴方『悪いね…結局近所まで送って貰って…』

辻村「いえいえ!
色んなお話が聞けて楽しかったですから!」




スーパーで買い物を済ませたAを

辻村が家まで送ると言い張り今に至る。




貴方『でも…男が甘えてばかりじゃねぇ……』

辻村「Aさんはもっと甘えて善いと思います」

貴方『…ふふ、でも今度は私が何かお礼するね。
なんなら安吾に頼んで休暇をねじ込んだり』

辻村「せ、先輩の仕事が増えそうですね…」

貴方『まぁ兎に角、本当に有難う深月ちゃん!
とっても助かったよ』



じゃ、と手を振るAに

辻村も元気よく手を振り返す。



辻村「また来て下さいね!」

貴方『ふふ、そうするよ』



Aの背中が見えなくなった頃

辻村は助手席に置かれたビニール袋に気が付く。




辻村「え!?Aさん忘れ物…!」




慌てて袋を持ち上げると

何やら付箋のようなものが貼ってある。




【善ければ食べてくれ給え】




綺麗な字でそう書かれていた。

辻村は首を傾げながら中身を確認する。




辻村「これ…!予約が無いと買えないと噂の…!」




袋の中には箱が入っており

巷で有名なケェキ屋のロゴが描かれていた。



中には色鮮やかな果実やクリームで飾られた

いかにも女性に人気そうなケェキが二つ。



辻村「二つも…?」



辻村はおもむろに先程の付箋を手に取る。

裏返してみると其処には、



辻村「【徹夜好きの彼への報告代わりに一つ】?
徹夜好き……って先輩のこと??」



首を傾げた辻村だが

先輩に聞けば判るか、と一人納得して箱を閉じた。



辻村「さて…と、早く戻って食べよ♡」



車を走らせ、辻村はルンルン気分で特務課に戻った。



─────
in 特務課



辻村「先輩!」

坂口「如何(どう)しましたか辻村君」



眼鏡を軽く押し上げて坂口は云う。



坂口「綾辻先生の報告書は書きましたか?」

辻村「あっ…そ、それは後ほど必ず!」



坂口はそんな辻村を見て一つ溜息をこぼし

用件は何ですか、と再び問うた。



辻村「実はAさんとお会いしまして…!」

坂口「!」

辻村「ケェキの差し入れを頂きました!」

坂口「Aさんから…!?」



坂口は驚きからか動きがピタリと止まる。



辻村「ちゃんとお話ししますから
とりあえずケェキ食べませんか?」

坂口「そうですね…頂きます」



珍しく素直に頷いた坂口は

何処か寂しそうな顔をしてケェキを口に含んだ。

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沙羅(プロフ) - キミナさん» 閲覧ありがとうございますー!ホントですか!?嬉しいです!!その他リクエストも受け付けてますのでお願いします(笑) (2019年7月8日 7時) (レス) id: 1f154ecd75 (このIDを非表示/違反報告)
キミナ(プロフ) - リクエストありがとうございます!とても良かったです! (2019年7月7日 21時) (レス) id: e2ae360d42 (このIDを非表示/違反報告)
沙羅(プロフ) - オンさん» 更新後の閲覧ありがとうございます!喜んで頂けて私も嬉しいです!今後のリクエストも是非お願い致します(笑) (2019年7月5日 7時) (レス) id: 1f154ecd75 (このIDを非表示/違反報告)
オン - ああああああ、ありがとうございました!自分が思っていたよりもとっても素敵でした。コメントの返事や、リクエストの更新、本当にありがとうございました(^~^) (2019年7月4日 20時) (レス) id: 8d5683d37d (このIDを非表示/違反報告)
沙羅(プロフ) - キミナさん» リクエストありがとうございます!一つづつリク消化して書かせて頂きますね! (2019年7月4日 15時) (レス) id: 1f154ecd75 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:沙羅 | 作成日時:2019年6月12日 7時

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