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きゅうじゅうきゅう ページ7

【4年前24歳】
貴女side



武装した男の頸動脈に

自分の短刀(ナイフ)を滑り込ませたところで目が覚める。



貴女『夢……か』



汗で濡れた寝間着(パジャマ)

手には未だ感覚が残っている。





この三年で私は人を殺 した。





それも何人もだ。

私から殺 しに行く事はしなかった。




攻撃されたら、だったけれど

それでも矢っ張り人数は尋常じゃなかった。




酷い時にはひと月に三桁近く。

遺体と作くんには泣いて謝った。




作くんは"立場上 仕方の無い事だ"と云ってくれた。

それでも作くんは悲しい顔をした。




それを見るのが嫌で

私はリンタロウ医師に直談判に行った。




リンタロウ医師は表情を変えずに

そうかい、と云っただけだった。




だから私は殺 しを止めた。

戦績は落ちたのに私の立場は変わらなかった。





貴女『はぁ……』



寝間着を洗濯機に入れて

何時ものワンピィスに着替える。



…よく考えてみると

この三年はとても忙しなかった気がする。

あっという間に過ぎてしまった。



私が殺 しを止めた事は勿論、

安吾くんが一年近く音信不通になったり

リンタロウ医師がポートマフィアの建築物(ビルヂング)

活動するようになったり。



治くんが二年前くらいから

マフィアの利益およそ半分を占めたこと。



作くんが「殺さずのマフィア」と謳われていること。

最下級構成員の「なんでも屋」な存在のこと。



そして竜頭抗争。

二年前に起きた88日の悪夢。

思い出したくも無い日々だった。



そんな厭な思い出を振り払うように

私は淹れたての熱い珈琲を飲む。



貴女『熱ッ……本当に熱すぎた…』




涙目で時計を見ると時刻7時56分。



……あれぇ??

リンタロウ医師に呼ばれてたの何時だっけ???



貴女『……8時だよ私』



大慌てで銃と短刀のホルスターを掴む。

出入口まで走って編み上げブーツを履く。



貴女『おっけーグー○ル!!
此処からリンタロウ医師の部屋までどの位!?』←



勿論、返事は無い。

だってグーグ○置いてないもんね!!!



猛ダッシュで廊下を通り、階段を駆け降りる。

この建築物の隣に立つ建築物が

リンタロウ医師の居る建築物だ!!←



入口警備の黒服さんに挨拶すると

無駄に豪華なロビーを走り抜ける。




途中で巡回中の黒服さんに体当たりした気がする。



ごめんね黒服さん。←

朝からご苦労様です。←←

ひゃく!→←きゅうじゅうはち



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作者名:沙羅 | 作成日時:2019年5月13日 15時

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